この数週間で、有料老人ホーム及び介護事業のM&A(合併・買収)が相次いでいる。有料老人ホーム大手・ライフコミューンの筆頭株主だったレオックは、同社の株を不動産事業のキノシタグループに売却を決定。日興コーディアルグループの介護事業会社、アントケアホールディングスは先月末、「シーハーツ」ブランドで施設展開をするシーズライフケアを買収した。また学研ココファンは今月1日、第一生命の子会社から、訪問介護事業などを引き継いだ。
有料老人ホーム事業大手・ライフコミューンを連結子会社として持つ給食受託のレオック(東京都渋谷区)は、保有するライフコミューンの全株式(発行済株式総数の50・1%)を、木下工務店100%子会社のキノシタ・マネージメント(東京都新宿区)に譲渡することを発表。同社グループの介護サービス事業部門も廃止する。株式売却は、財務体質改善と、キノシタグループとの関係強化を図るのが目的。売却額は25億円で、譲渡による売却損は7億1200万円。9月12日に株式譲渡を予定する。
医療機関や社会福祉施設などの給食受託運営を行うレオックは、グループ売り上げの8割が給食事業で、2割が介護サービス事業。同社グループの経営多角化戦略の一環として介護事業に乗り出したのは、ライフコミューンの過半株式を取得した平成18年9月。当時ライフコミューンは、首都圏で有料老人ホームなど46事業所を運営・管理していた。
以来、人的資源を含めた経営資源投入の結果、ライフコミューンの平成20年3月期では、単体で経常損益の黒字化を達成。売上高128億円、営業利益3億3500万円で、一定の成果を上げた。
一方、レオックグループでは平成20年3月期連結会計年度において、短期借入金残高が51億5000万円に増加、財務体質改善が急務となった。そのため財務体質悪化の最大要因のひとつでもあった同社保有のライフコミューン株売却を通じ、グループ事業再編を本格化させ、給食事業に経営を集中させる。
なお、介護サービス事業部門の従業員1344名に関しては、ライフコミューンが引き続き雇用する。
ライフコミューン株譲渡先のキノシタ・マネージメントは、平成2年に設立。投資用マンション企画分譲事業や、賃貸住宅事業、建物管理事業がメイン事業。子会社のキノシタ・ライフ(東京都新宿区)で、有料老人ホーム「リアンレーヴ」シリーズを首都圏で展開している。
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ここ数週間で決定、発表されたM&A案件は、ライフコミューンにとどまらない。
日興コーディアルグループの介護事業会社、アントケアホールディングス(東京都中央区)は先月末、シーズライフケア(東京都渋谷区)を買収。シーズライフケアはマンションデベロッパーのシーズライフクリエイト100%子会社で、今年4月には千葉県船橋に、ホームを新設したばかりだった。
また今月1日、高齢者専用賃貸住宅を3棟展開する学研ココファン(東京都品川区)は、第一生命グループ第一生命ウェルライフサポート(東京都渋谷区)から、訪問介護事業とケアプラン作成などの居宅介護支援事業を承継。都内に3拠点あった「第一生命ウェルライフサポート ケアセンター」は、「学研ココファン」のブランドに吸収された。
介護付き有料老人ホーム「ボンセジュール」シリーズと高級住宅型有料老人ホーム「チャーミング・スクウェア」を展開しているゼクス(東京都千代田区)の動きも気になる。
同社は今月7日、シニア事業における他社との資本提供を前提に、同社100%子会社のゼクスコミュニティ(東京都港区)の会社分割を発表。同社事業を分割し、新会社に事業を承継させる。背景には介護施設事業が今期は赤字の見通しとなっているなどの経営状況がある。
新設会社はボンセジュール(東京都港区)とボンセジュール・バリエ(同)。いずれも今月28日に設立する。代表取締役社長には、ゼクスコミュニティの代表取締役社長を務めた瀬川隆史氏が就く。(8月15日号)
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