入浴介助加算に“研修”案 見直しに賛否、負担増懸念 介護給付費分科会

2023年11月9日

 

厚生労働省は10月26日の社会保障審議会介護給付費分科会で、通所系サービス及び短期入所サービスについて議論。中でも算定率の高い通所介護における入浴介助加算(Ⅰ)について、入浴介助の技術として求められる研修内容を算定要件に組み込むなどにより適切な実施を目指す対応案が示された。委員の賛否は分かれている。

 

 

大規模型通所リハ 報酬引き上げ提示
 

通所系サービスにおける入浴介助加算(Ⅰ)の算定率(事業所ベース) は、通所介護で91.4%、地域密着型通所介護で73.9%、認知症対応型通所介護で94.9%に上る。なお、利用者の自宅での入浴の自立を図る観点から、2021年度介護報酬改定において新たな区分である入浴介助加算(Ⅱ)が設けられた。通所系サービスにおける入浴介助加算(Ⅱ)の算定率(事業所ベース)は、通所介護で12.2%、地域密着型通所介護で7.5%、認知症対応型通所介護で9.2%と低迷している。

 

加算(Ⅱ)を算定できない理由として、個別入浴計画書において「単独の計画を作成することは負担」と回答した事業所や、「個浴槽がないため算定できない」と回答した事業所が一定数ある。厚労省では、こうしたケースに対し「個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画に記載する場合は、その記載をもって個別の入浴計画の作成に変えることができる」「個浴槽がなくても利用者の居宅の浴室の状況に近い環境が再現されていれば差し支えない」といった留意事項について周知している。

 

また、算定する意向がない理由として最多は「利用者の居宅を訪問し評価や助言を行う医師等の確保・連携が困難である」との回答。より自立支援に資する入浴介助の取り組みを促進するための対応が検討された。
 

これまでに挙がった意見は

▽中重度の利用者は身体状況や居宅の設備の面から入浴介助加算(Ⅱ)になじまず特殊浴槽や機械浴を使っている。手のかかる入浴をしている利用者の加算が減少している状況がある

▽認知症の利用者は1人で上手く洗体ができないなどがある。加算自体が現状に合っていないと考えられる

▽加算(Ⅱ)で個浴の入浴介助をするのであれば職員にスキルが求められるため、しっかりと入浴の実技面の実習が必要である

――など。
 

これを踏まえ会議では、加算(Ⅰ)においても入浴介助の技術として求められる研修内容を算定要件に組み込むなど、より適切な実施が行われるように見直す案が示された。「研修の必要性はある」と賛成する委員もいる中、「人材不足で危機的な状況の中、さらに介護職の負担が増すのでは」と反対する意見も挙げられた。
 

 

会議ではこの論点のほか、

▽個別機能訓練加算の適正化

▽コロナ禍での臨時的取扱い(3%加算・規模区分特例など)の存置

▽大規模型通所リハビリテーションの報酬引き上げ

▽短期入所における看取り評価の加算創設

――などを検討。
 

通所リハについては退院後早期の利用開始が機能回復に大きく貢献することから、

①ケアプラン作成にかかる時間を短縮するため、ケアプランにリハビリを位置づける際に意見を求める「主治の医師等」に入院先医療機関の医師を含む

②医療機関のリハビリテーション計画書の入手を、計画作成の前提として位置付ける

③通所リハ事業所のリハ職が退院前カンファレンスに参加し退院時共同指導を行った場合の加算を新たに設ける

――などの対応を行うこととなりそうだ。

 

 

 

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