今号から様々な立場の人に、介護業界の人手不足解消の処方箋について意見を聞く。第1回は人材サービス会社ニッソーネット(大阪市)の山下吾一社長だ。

「採用戦略は適切か」

――どうすれば、介護事業者は人材を確保できますか。

山下 目先の人材を確保したいのであれば、単純に「給与を上げる」ことです。例えば主婦パートを雇いたい場合、ライバルとなるのはスーパーや飲食店などのサービス業ですが、この業界も人手不足でパートの時給は上昇気味です。介護職の時給はこの水準には追いついていません。まず「他産業に対抗できる給与水準」が必要です。

――しかし、介護報酬で売上の天井が抑えられている以上、出せる給与額にも限界があります。

山下 その場合は「仕事選びに際して給与以外の面を重視したい」という人を狙えばいいのです。例えば、主婦パートでしたら「家から近い」「勤務時間の融通が利く」などです。そして、この重視する面は、求職者の属性などにより異なります。例えば新卒学生でしたら「会社の将来性」「福利厚生」などですし、契約社員でしたら「正社員登用制度あり」などです。

――つまり「自分たちがどの層の人材を求めるか」を明確にして、その層に的確にアピールできる人事・採用戦略が必要なのですね。

山下 その通りです。介護業界は「中途・経験者」中心の採用から「新卒・未経験」中心にシフトしてきていますが、事業者の人事・採用戦略は中途・経験者主体のときと変わっていないことがあります。労働者人口がどんどん減っている地方ならともかく、東京や大阪で人が全く採れないのであれば、人事・採用戦略の見直しも必要でしょう。

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