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 介護保険制度施行時から医療・介護の情報共有システムを提供してきたカナミックネットワーク(以下・カナミック/東京都渋谷区)が昨年9月、東証マザーズに上場した。在宅医療と介護の連携、また医療介護分野の生産性向上は国も重要施策と位置づけている。医療介護クラウドで先端を走るカナミック・山本拓真社長に話を聞いた。

 

 

──あらためて上場の感想を。

 

山本 多方面の方からお祝いの言葉をいただいた。中でも多かったのが「介護業界で久々に明るいニュースだった」という声だ。上場は通過点に過ぎず、これからが大切だ。

 

 

──これまでの歩みを。

 

山本 2000年の創業時から、医療・介護の「利用者目線」を意識してシステムを作ってきた。医療・介護の法人の枠を超え、さらに多職種が連携・情報共有できるプラットフォームを提供・活用してもらい、患者や家族が最良のサービスを受けられる。これこそが当社の目指してきたシステムだ。

 

 

──柏モデルでは情報共有プラットフォームとして利用された。

 

山本 東京大学高齢社会総合研究機構との共同研究により開発し、地域包括ケアの柏モデルの中で作り上げられてきた。顔の見える関係者会議や地域ケア会議など、行政・医師・看護師・薬剤師・ケアマネ・介護職まであらゆるサービス提供者が参加する多職種チームの情報共有を、当社のクラウドシステムで担うことができた。これが地域包括ケアのモデルとして全国に広がりつつあることを嬉しく思う。

 

 

──「在宅医療・介護連携推進事業」は地域支援事業にも位置づけられた。遅くとも2018年4月までに実施となると自治体も時間がない。情報共有について実績を持つカナミックへの期待も大きいのでは。

 

山本 同事業の項目を見てみると、まさしく柏モデルでやってきたことがほとんどだ。それをあらためて各地域で一から作り上げるとなると時間も手間もかかる。現状は地域資源の把握や多職種会議を始めただけで、情報共有をどうするかまで議論が進んでいない自治体が多いのではないだろうか。「事業項目の一部を医師会や中核医療機関に委託できる」とあるが具体的な内容には触れていない。これでは自治体側も何を委託すべきなのかわからないのではないか。

 柏市での実績をモデルとして各自治体が取り組めば、同事業はもっとスムーズに進む可能性が高い。当社としても情報提供・協力は惜しまないつもりだ。

 

 

──国は介護分野の生産性向上に本腰を入れていく。

 

山本 この先、介護報酬が上がるということは考えにくく事業者は経営効率化を進めるしかない。「経営のプロ」である異業種大手の参入が増えている中で、彼らと伍して戦っていくためには中小零細もITによる経営管理が必要になってくる。「利用料が安い」ではなく、「経営を支える」システムであるかが選定のポイントになってくるのではないだろうか。

 

 

──ユーザー数が順調に推移している。

 

山本 当社のクラウドシステムは、法人・事業所ごとで利用する介護業務システムと、地域全体で利用する情報共有プラットフォームの2階層でできている。介護業務システムでは「営業管理」「帳票作成」「医療・介護保険請求」「給与計算」「債権管理」、そして「経営・統計分析」までを提供している。経営側はいつどこで何が足りないのか数字で明らかにできる。情報共有プラットフォームとして、また経営効率化・見える化できる点を評価してもらっている。年々利用者数も増加し、利用ID数も5万1000以上(2016年9月末時点)にまで伸長した。

 

 

──高齢者だけではなく「子育て支援」も行っている

 

山本 2015年11月より、自治体と子供を持つ父母を繋ぐ「子育て支援アプリ」(子育てクラウド)の提供を開始した。地方創生事業として、自治体経由で利用してもらっている。介護離職の問題が取りざたされるが、同時に子育てをしている人も少なくない。ここでも効率化できる部分は多い。

 

 

──今後の展開について

 

山本 まだまだ医療介護の情報共有は進んでいないのが現状だ。また、介護事業者の経営効率化も遅れている。今後さらに重要となってくるこの2つの点においては、当社がこれまでに培ったノウハウが生きてくる。地域や事業者をクラウドで支え、利用者がより良いサービスを受けられるようその一翼を担っていきたい。

 

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