マンションデベロッパーのフージャースコーポレーション(東京都千代田区)は、首都圏では数少ないシニア向け分譲マンションの開発に注力している。1都3県で年間1~2棟ペースでの開発を手がけていく考えだ。

3月15日、同社が千葉県柏市で開発を行ったシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ柏の葉キャンパス」の建物竣工披露会が行われた。実際に物件の運営を行うフージャースケアデザイン(同)の佐藤多聞社長は「現在、日本の高齢者住宅の中で『自立者向け』『居住空間としての質が高い』を満たすのは自立向け有料老人ホーム以外に殆どない。しかし『入居費用が高額すぎる』『利用権契約』などの点がネックになっていた。こうした『空白地帯』をカバーするのがシニア向け分譲マンション」と説明。これまで高齢者住宅への入居を考えていなかった層をターゲットとして取り込む考えを示した。

2015年1月に引き渡しが始まった同社第1号のシニア向け分譲マンション「デュオセーヌつくばみらい」(茨城県つくばみらい市)の居住者をみてみると、45%が男性。また45%が夫婦同居・5%が親子同居、購入時の平均年齢も70歳代が最多であるなど、一般的な高齢者住宅とは客層が大きく異なる。

「今回の柏の葉は、大型ショッピングモールに隣接しており駅から徒歩数分などの利便性から、より、現在就業中などのシニアが購入することが多くなると思われる。恐らく購入時年齢は60歳代が最多になるだろう」(佐藤社長)

また、分譲マンションであることのメリットのひとつが第三者への売却や賃貸が可能であるという点。前述した「つくばみらい」では、既にいくつかの住戸が中古物件として売りに出ているが、販売価格の平均は新築販売時の90%以上。一部住戸では新築時よりも高い値段がついているという。

親子同居など「住まい方」多彩

一部の住戸は50歳代など若いうちに購入した人が「自分はまだ住む必要が無いので、しばらくは他人に貸して家賃収入を得よう」と考えて賃貸物件として市場に供給されている。同社によれば8%以上の利回りが出ているという。

「これまでは『介護が必要になったので』『家族が探す』というのが高齢者住宅の一般的な姿だった。しかしシニア向け分譲が増えてくれば『元気なうちに』『自分で探す』という考えが広がるだろう。そしてシニア向け分譲で生活して、栄養バランスのとれた食事や、クラブ・サークル活動での適度な運動などを通じて、健康寿命をのばす、というこれまでとは違った高齢者の将来像が描けることになる」(佐藤社長)

「柏の葉」の購入者へのカギの引き渡しは4月1日。それまでに6割程度の販売が完了している見込みだ。「食事やコンシェルジュなどのサービス面の品質を見てから購入したい」という人が多いため、通常の分譲マンションに比べると販売ペースは遅いが、つくばみらいと比べても、ほぼ同様のペースだという。

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