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 医療、介護、保育事業を全国展開しているニチイ学館(東京都千代田区)は、利用者の生活機能改善の成果を高めるため、第一興商(東京都品川区)とのパートナーシップを強化。独自性が高く、科学的根拠のあるプログラム開発を進めている。また、新たな事業の柱として、介護保険外サービスや中国市場への進出などにも意欲的だ。ニチイ学館の黒木悦子取締役に話を聞いた。

 

──2016年度の業績は。

黒木 173月期の売上高は2766億円。うち介護事業単体で1438億円と2年ぶりの増収。居住系サービスの稼働率向上、在宅系サービスの中重度者強化への体制整備、業務の効率化などに取り組んだ結果、介護事業単体の営業利益は110億円と大きくV字回復できました。

 

 

──独自性に富んだサービス提供を強化されています。

黒木 2025年問題が近づいてくる中、高齢者の急増に備えた介護サービスの充実と、サービス提供体制の整備が急務となっています。一方で、事業所間での顧客獲得競争が今後一層激化していくことが予測される中、他事業所との差別化や魅力的なサービスを充実させていくことが重要だと考えています。

 

 

 例えば、デイサービスでは、現在の社保審などでの議論をみると、①多様化するニーズに対応できるサービス体制の整備、②成果が出る機能訓練の提供、③通所リハ「卒業」後の受け入れ体制の整備が求められています。「楽しいだけのデイサービス」ばかりではなく、利用者の生活機能改善の効果を評価する「成果型」のデイサービスとするなど、運営コンセプトを明確にすることが必要だと考えています。

 

 

──具体的には。

黒木 次年度の介護報酬改定を見据え、これまでの事業所ごとのオリジナリティを大切にしつつ、効果的なプログラムの開発に向けた取り組みを強化しています。今回、利用者に楽しく元気になって欲しいという想いから、企業との「パートナーシップ」を強化しました。現在取り組んでいるのが、第一興商のDKエルダーシステムを活用した効果的なプログラムの開発と実証の事業です。機能訓練の充実と社会的交流の促進による心身機能の維持・向上を図るために、利用者のニーズに沿ったプログラムを構築し、多様なプログラムを提供。専門性の高いプログラムを継続的に実施することで、利用者の生活機能改善を評価していきます。

 

 

──評価後の取り組みは。

黒木 評価したデータをもとに、利用者の生活機能の改善を具体化するため、目標を再設定し、改善状況を測定していきます。エビデンスのあるプログラムを全国の拠点より収集・確立し、全社的に展開していくことで、当社のデイサービスの質を高めたいと考えています。

 

 

 また、深刻な人材不足が介護業界全体の課題となる中では、スタッフ一人ひとりの生産性向上による効率化が必須となります。そのため、全国でシステム導入後に、第一興商との連携のうえ、定期的な研修を実施。DKエルダーシステムの効果を最大限発揮すると同時に、スタッフ個々のスキルアップを図っています。

 

 

──ケアマネジャーの関心も高くなるのでは。

黒木 利用者の改善状況についてケアマネジャーへ定期報告しようと考えています。ツールを用いて、利用者の改善状況を数値化・可視化することができれば利用者の改善状況が明確となり、かつ当社を選んでもらえる説得力のある資料となります。当社のデイサービスの質や取り組みをケアマネジャーや地域に発信することで、他社との差別化を目指していきます。

 

 

──「人財」の確保については。

黒木 「人財」の確保については、制度上の処遇改善加算等での待遇改善に加えて、企業努力として今まで以上に福利厚生を充実させることで、幅広い世代の人に当社で仕事をしていただきたいと考えています。

 

 

 介護職は女性の多い業界であり、国の働き方改革でも示されている、女性活躍推進の観点から、当社では子育て世代のスタッフに対し、今までの手当に加えて、新たな手当も設定しています。

 

 

 また、育児休業からの復帰を支援するため、全社的に企業主導型保育所の開設を進めて、当社スタッフには利用料金の一部を手当として支給するなど、スタッフのライフステージに合わせて、長く継続して、働いていただける環境作りを進めています。

 

 

 

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