外国人技能実習制度の適正化を目的にした「技能実習適正実施・実習生保護法案」が10月21日に衆院法務委員会で可決された。今月中にも国会で成立する見通しだ。また、これに合わせて対象職種に介護を加える方針であり、介護分野での外国人技能実習生受け入れが来年にもスタートする見込みだ。

現在の監理団体約半数に減少か

 現在の外国人技能実習制度では、受け入れ先の企業が適切な賃金を支払わない、パスポートを取り上げる、来日した実習生が逃亡するなど、受け入れ企業・監理団体ともに質が問題視されている。

 今回の法案は、こうした点の改善を目的に、受け入れ企業や監理団体を監督・指導する認可法人「外国人技能実習機構」を新たに設立するもの。これに伴い現在の監理団体は改めて認可を受けなくてはならなくなる。

 監理団体のひとつである医療介護ネットワーク協同組合(東京都台東区)の木全雅夫代表理事によると「現在、監理団体は国内に2000以上あるが、半分程度にまで減少する見込み」という。なお、現在の監理団体が仮に認可を取り消されたとしても、既にその監理団体を通じて日本で就労している技能実習生については、そのまま就労が認められる見通しだ。

1人あたり負担日本人より高く
受け入れ費用等懸念

 現在、外国人技能実習制度の対象職種は農業・建築分野など74。介護は初の対人サービス分野となる。今後の予定では、実際に介護現場で技能実習生の就労が始まるのは来年夏ごろの見込み(上図参照)。介護業界では、慢性化する人手不足の解消に繋がるのでは、と期待する声がある一方で「来日時の日本語能力要件がN4では、専門用語が多く飛び交う介護の現場で戦力になるまでには時間がかかる」という不安の声もある。

 また「ガイドラインでは、技能実習生の給与水準は日本人を下回ってはいけない、ということが明確に示されるようになると思います。技能実習生の受け入れに際しては、管理費用などとして毎月3万円~5万円程度の費用負担が受け入れ企業に発生します。結果的に日本人を雇用するよりも高くなりますから、介護報酬引下げで経営的に厳しい企業も多い中で、どれだけ受け入れ企業が出てくるかという点も未知数です」(木全代表理事)と、受け入れ側の体力を懸念する見方もある。

 また、この日は出入国管理・難民認定法改正案も可決された。在留資格に介護を追加し、外国人留学生が日本で介護福祉士養成校を卒業して介護福祉士となった場合に、日本の介護現場で就労することが可能となる。

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