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 高齢者住まい事業者団体連合会(高住連・東京都中央区)は10月28日、介護保険制度の見直しに関する意見書を厚生労働省老健局長に提出した。介護保険三施設入所者とそれ以外の高齢者住宅入居者の公平性確保などを訴えている。

 意見書では、財政論に偏った介護保険制度見直しは、現場で働く介護職の意識・意欲を低下させ、介護離職増加などにつながるとの懸念を示した。また、短期間に頻繁な制度見直しを行うことが、利用者や事業者の制度への信頼や、事業者の長期的な安定経営を損ねているとし、長期的なビジョンを示すことを求めた。具体的な要望点は6点(下部参照)

 このうち3では、(1)近年は地域住民も参加できるイベントやセミナーなどが高齢者住宅内で開催されるなどの例が増えているが、一部自治体では「入居者以外が食堂や多目的室に入ることは適当でない」と指導している(2)低層住居専用地域の高齢者住宅に設けられた食堂などが近隣高齢者にサービスを提供すると飲食店と扱われてしまう、などの例を挙げ「行政指導や規制を柔軟にしてもらい、高齢者住宅の地域に向けた取り組み・活動を後押ししていただきたい」と訴えている。

 また、4では、(1)介護保険三施設では介護保険給付におむつ代が含まれるが、在宅高齢者や特定施設などの入居者では給付対象外であること(2)介護保険三施設入所者は補足給付があるが特定施設やグループホームには無いこと、などを示し「介護保険三施設入所者とそれ以外の高齢者(在宅・高齢者住宅入居者)との公平性の確保を」と訴える。

 6では「訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行は未成熟であり、このまま進めるべきか否か評価が分かれている」「自治体ごとの基準・運営が煩雑であり、効率化も進んでいない」と問題視。訪問介護・通所介護以外のサービスを地域支援事業に移行することについては慎重に検討することを依頼している。

【解説】
 特養と民間の高齢者住宅の間の「不公平感」については、高齢者住宅側から以前より多くの不満がでていた。特養が、民間の高齢者住宅では絶対に実現できない低価格での施設を供給しているのであれば「低所得高齢者向けの住まいを供給している」として、理解を得られたであろう。しかし、特養の個室ユニット化が進んだことや、民間の企業努力により特養の入居費用が民間高齢者住宅のそれを上回るといった「逆転現象」も起こっている。

 こうした現実をしっかり見据えて、特養と民間高齢者住宅の役割などを今一度整理する必要があるだろう。

「高住連の意見書の要点」

1、地方自治体ごとに異なる基準・様式の標準化やICT活用など、事務負担の軽減推進

2、高齢者住宅の外付けサービスの活用について、メリハリのある指導監督を

3、高齢者住宅が地域包括ケアシステムにおける拠点となるため、柔軟な運営の後押しを

4、在宅(高齢者住宅入居者含む)と介護保険三施設入所者の公平性確保を

5、軽度要介護者に対する給付は重度化予防の観点などからも、更なる見直しなどは実施すべきではない

6、要支援者の他のサービスの地域支援事業への移行は「次期尚早」

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