厚労省は「介護保険制度創設以来、在宅ケアを推進してきた結果、在宅サービスの供給量は拡大している一方で、訪問介護・通所介護の供給量が多いと判断している市町村もある」との観点から「在宅サービスの供給に関わる事業所指定について、市町村の関与を強化していくことなどが求められている」と主張した。

 現在、地域密着型サービスをのぞく在宅サービス事業者の指定に関して、市町村が関与する仕組みとしては市町村協議制がある。

 しかし2014年度に、実際に市町村協議を実施したのは3保険者、そのうち実際に都道府県が指定をしないことにしたのは1保険者のみであり、制度が有名無実化している。

 これについては、市町村側には「地域における供給量が過剰かどうかの判断ができない」、都道府県側には「実際に指定拒否をした場合、被保険者や事業者に対する説明をしなくてはならない」などの事情があり、互いに消極的にならざるを得ない面がある。

 こうした現状を受けて、厚労省は市町村協議制の対象サービス拡大など、実効性を高めるほか、市町村が居宅サービスの指定に何らかの形で関与する仕組みを設けることを検討する必要性について言及した。

地域密着型デイ指定拒否可能に

 また、今年4月に誕生した地域密着型通所介護については、市町村協議制の対象となっていないこと、競合サービスとなり得る小規模多機能型居宅介護などの普及の更なる推進を図る必要性があることから「市区町村が地域密着型通所介護の指定をしないことができる仕組みを導入してはどうか」と提唱した。

 これについて「介護サービスの中には供給が過剰になっていると思われるものもある。こうしたサービスを含め、もう少し自治体の関与を強めていくべきではないか」(東憲太郎委員・公益社団法人全国介護老人保健施設協会会長)など多くの委員が、賛成・理解を示した。

【解説】
選定基準などの透明性確保を

 淑徳大学総合福祉学部結城康博教授が「都道府県庁所在地ではデイサービスは完全に供給過剰」と指摘するように、一部サービスでは需給バランスが崩れ、スタッフ採用・営業コストの増加という形で介護事業者に影響を及ぼしている。こうした点を考えると、事業所の整備について一定の制限を設けることは流れとしてはやむを得ない面もある。

 しかし、先月の公正取引委員会の報告書が指摘(本紙9月21日号1面参照)した様に、自治体の介護保険サービスの総量規制に関しては「恣意的」な部分があるのは否めない。規制を強化するのであれば、選定基準を明確にするなど、透明性の確保が求められる。

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