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高齢者住宅への入居を考えている人にとって「相談できる窓口が身近に無い」ということが問題となっている。そうした中、高齢者住宅の入居相談に応じられる人材の育成を目指して活動しているのが(社)高齢者の住まいと暮らしの支援センター(東京都世田谷区)だ。厚生大臣や農林水産大臣も経験した藤本孝雄理事長に話を聞いた。

──高齢者住宅が今後の日本社会の中で果たす役割をどのように考えているか。

「国は、介護を必要とする高齢者の生活を在宅にシフトさせる方向性を打ち出しているが、独居や高齢者のみの世帯が増加するなど家族の介護力が低下する中では、在宅での生活にも限界がある。また介護離職の増加なども懸念される。デイサービスや小規模多機能などのサービスの量・質が十分か、といった点も検証しなくてはならない。特に認知症を患っている場合には在宅での介護は難しいだろう。そうした点を考えると、専門家が適切なケアを提供する高齢者向け住宅の整備は必要になるだろう。財政面などの問題を考えると特養など介護施設の整備は今後抑制せざるを得ない。その分をカバーするのが民間企業の手による高齢者住宅だと考えている」

──高齢者の大半は要介護認定を受けていない。こうした人にも高齢者住宅は必要か。

「私自身、妻との二人暮らしだ。二人とも身体的には元気だが、妻によると『高齢になると食事の準備など毎日の家事が負担になる』という。それから解放されるだけでも非常にあり難いだろう。また独居高齢者の場合は夜になると『寝ている間に何かあったらどうしよう』と不安に思うだろう。そうした負担・不安を取り除く家事代行や見守りなどのサービスを提供する高齢者住宅のニーズは高いと考える。人数を考えればこうしたアクティブシニア向けの住宅は非常に大きなマーケットに拡大することが考えられる」

──元気な高齢者向け住宅の市場も拡大するとなると、高齢者住宅の種類・性格がますます多様化・複雑化し、消費者にとってわかりにくくなることが考えられる。

「それが大きな問題だ。現状では高齢者住宅について相談できる窓口は、紹介事業者など一部に限定されてしまっている。高齢者住宅の仕組みや制度が複雑で、それをわかりやすく説明できる人材がいないことが原因だ。逆に言えば、そうした人材が増えれば、高齢者住宅の入居などに関する相談窓口があちこちに開設され、高齢者住宅に対する理解の促進や実際の入居に繋がるだろう」

──そうした専門家の育成を行っているそうだが。

「初級(1日)、中級(1日)、上級(2日)の3コースに分けた講習会を行っている。中級は初級を、上級は中級を修了しないと受講できない仕組みで、上級は実際に高齢者住宅を見学する。これまで初級・中級を4回ずつ行い約60人が受講した。1年間で初級・中級を6回ずつ、上級を2回行う計画だ」

──どういった人たちが受講しているのか。

「不動産会社、保険会社、葬儀会社、小売店などの他、企業の総務担当者などもいる。また実際に介護事業所を運営している人たちが、勉強のために参加するケースもある。こうした人たちが専門家として活動することで、高齢者の身近に高齢者住宅の相談窓口がいくつもできることを期待している」

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