一般社団法人在宅栄養ケア推進基金(高知県四万十市)はこのほど、iPadを使い簡単に栄養状態の把握が可能なシステムを開発した。ケアマネジャーや訪問看護師、ヘルパーなどが活用し、在宅医療の推進に役立てる。

 開発したのは栄養指導支援システム「栄養ケア・パッド」。在宅栄養ケア推進基金が設けた「栄養ケアサポートセンター」にて介護支援者が抱える栄養ケアの問題をシステムを介して解決する。

 栄養士でなくとも在宅療養者の栄養状態や摂食・嚥下機能状態のスクリーニング・アセスメントが可能。栄養状態の評価を通し最適な栄養ケアをアドバイスすることで、利用者のセルフメディケーション意識の向上、?気づき?による低栄養・誤嚥性肺炎・脱水リスクの低減を図る。評価に応じて利用者の状態に合った介護食品の利用も促進する。

 システムはiPad用の無料アプリとして開発。会員登録(無料)の上、アプリをダウンロードして利用する。記録したデータは端末内で閲覧可能。パソコンからも履歴を確認できる。

 氏名(任意)、年齢・性別・身長・体重、病名(任意)などの基本情報と体重減少、摂食・嚥下状況、活動性、精神ストレス・認知症の程度などスクリーニングシートをもとにした項目にチェックを入れれば、5分程度で栄養状態を簡易評価。BMI、標準体重、肥満度、摂取目標エネルギー量、栄養状態、栄養課題、栄養アドバイスなどが判明する。

 栄養状態、摂食・嚥下状態などアセスメントの結果に応じた高齢者向け食品も表示。ビタミン・ミネラル補給食品、エネルギー調整食品、流動食、嚥下リハビリ食品、栄養補助食品など選択した食品群に対応する食品を表示。食品の画面をタッチすると、通販サイトから直接購入することが可能。

 栄養ケアサポートセンターでは、栄養ケアプランの作成支援、在宅向け献立の作成、摂食・嚥下機能に合った食形態の提案、口腔ケアに関する情報提供、介護や栄養に関する研修会の案内を総合的に手掛ける。

 「在宅高齢者には病態・摂食・嚥下・栄養状態を適正に評価し、生活スタイル・経済状況に合った食事提案が必要。さらに介護支援者の負担を軽減しつつ、継続性を持った献立立案が可能になる」(業務執行理事・冨田実氏)。

 同センターによるインフォーマルサービスと栄養指導支援システムが、在宅介護スタッフと医療・介護のフォーマルサービスをつなぐ役目を果たす。同法人では同事業を推進することで、栄養ケアを基点とした地域包括ケア体制の構築、食品企業の地域包括ケア体制への参画、新たな介護食品の開発などの成果を見込む。

 同法人は昨年4月、栄養ケアを基点に、在宅医療を推進・支援する目的で高知県の委託事業として設立。医療法人聖真会渭南病院(高知県土佐清水市)院長の溝渕敏水氏が代表理事を務める。
 介護食品企業からの賛助支援金による収益を在宅療養現場へ助成し、地域医療の整備を推進する。今年度から日本介護支援専門員協会との連携を図ることで栄養ケアを推進。医療・介護のフォーマルサービスにつなげる事業を展開する。

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