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 東京都新宿区の戸山団地で、医療や介護、生活など地域住民の相談に応じる「暮らしの保健室」。この保健室を立ち上げたケアーズ 白十字訪問看護ステーション(東京都新宿区)の秋山正子代表は、訪問看護を始めた原点でもあるがん患者の支援を本格化する。暮らしの保健室の取り組みや今後について話を聞いた。

若者から高齢者 生活の悩み相談

──2011年にオープンした「暮らしの保健室」には、毎日、どのような人が相談に来ますか。

秋山 暮らしの保健室ではその名の通り、地域のみなさんからの健康や医療、介護、生活に関する様々な相談に対応しています。赤ちゃん連れの女性や若い方も相談に来ることもありますが、ほとんどは高齢者です。医療・介護について熟知した相談員が対応し、さらには看護師や薬剤師がそれらの悩みをフォローしますので、普段の生活のことから専門的なことまで対応することが可能です。

──よくある相談の内容は何ですか。

秋山 相談内容は病院の先生と上手くコミュニケーションがとれず自分の気持ちを伝えられないといった内容や、認知症の人とどのようにかかわっていくべきか、薬の飲み方を教えてほしい、皮膚科を探してほしいなど、様々です。1日、平均で10名が訪問しますが、全員が悩みを持っているとは限りません。以前、保健室を利用し、ボランティアと親しくなった人が世間話をしに来ることもあります。細かい相談時間は決めていませんが、1回あたりの相談時間の平均は30分です。相談者が来ると、相談スペースでボランティアが対応します。

姉の在宅療養 訪看の原点に

──訪問看護事業を注力する傍ら、なぜ「暮らしの保健室」をオープンしようと思ったのですか。

秋山 1989年に2つ上の姉が末期の肝臓がんと診断され、医師から余命1ヵ月と宣告されました。姉の在宅療養を機に、在宅での看護を届けていきたいという思いが強くなり、訪問看護ステーションが制度として始まった1992年から訪問看護を始めました。在宅ケアは「人生の諦め」ではなく、生活の質を上げ、よりよく生き切るための手段であると思います。しかし、そのようなことが患者に伝わっていないのが現状です。訪問看護を行う中で、もっと前の段階から患者や家族に正しい情報を届け、相談ができる場があればと思っていました。

──この保健室は、20年間の訪問看護の集大成であるということですね。今後について教えて下さい。

秋山 日々、患者と接する中で、新宿周辺には大病院が多く、医療ショート(短期入所療養介護)が少ないという声が目立ちました。この地域のニーズに応えるために、東京都の四谷で、複合型サービスを始めます。こちらは間もなく着工に入ります。また、私の原点でもあるがん患者のための支援を本格的に始めています。イギリスに非常に良いモデルとなるがん相談無料支援施設「マギーズセンター」があります。この保健室もマギーズセンターをイメージしました。
 予約なしで好きな時に気軽に行けて、家庭的な雰囲気の相談場ががん患者には必要です。このようなセンターを東京でもつくろうと「maggiies tokyoプロジェクト」を立ち上げ、共同代表を務めています。5年限定というパイロット的なものですが、この東京センターをモデルにこのような施設が全国的に広まってほしいと思います。

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