がんサロン支援塾が2月21日・22日の2日間、島根県益田市で開催された。既にサロンを開設している運営者やこれから病院内にサロンを開設しようと考える医療者40人余りが参加。がん患者や医療者が交流するがんサロンの開設・運営方法を発表した。今回が4年目5回目の開催。

 初日は島根県益田保健所の村下伯所長や「島根県益田がんケアサロン」の納賀良一代表(がんサロン支援塾塾長)らが講演。村下所長は「(がんサロンは)患者会ではない。いつでも誰でも参加が可能。出入りも自由」と、がんサロンの意義を強調。2005年12月に県内で初めて発足した島根県益田がんケアサロンの活動がきっかけに、県内各地にサロンが開設された。そのうえで「サロンの普及が全国初の県がん対策推進条例につながった」とサロンの役割を高く評価した。

 村下所長が独自に作成した、行政関係者とがん患者団体がよいコミュニケーションをとるための5か条も披露した。

 2日目はNPO法人がんと共に生きる会の濱本満紀副理事長が講演。同会は「地域格差・施設間格差の解消」「ドラッグラグを欧米並みにすること」「抗がん剤を使いこなす医師不足の解消」などを掲げ、2001年に設立。濱本副理事長は「がん患者が納得した治療を受けられるように様々なステークホルダーが良き伴走者になる必要がある」と訴えた。

 新たな取り組みとしてがんに関する情報を簡単に収集できるサイト「大阪がんええナビ」も紹介した。

 読売新聞社社会保障部本田麻由美次長は「がんサロンの意義」について講演。患者が抱える4つの苦痛(フィジカルペイン、メンタルペイン、ソーシャルペイン、スピリチュアルペイン)について解説。「数ある情報の中で、自分に有用な情報を取得するのは困難。患者グループとの交流が疎外感からの解放に役立つ」とメディアの立場からもサロンを評価した。

 その他、益田市健康増進課藤原登紀枝主幹が「益田市がん予防対策とがんサロンの関係」、益田赤十字病院渋谷功志医療社会事業係長が「益田赤十字病院とがんサロンの関係」を講義。

 納賀代表は2日間を通して「がんサロンの軌跡」「11位1体について」講義。自身のがん体験から県内のがんサロンの合同意見交換会、がん政策サミット、全国がんサロン交流会、がんサロン支援塾の開催まで10年余りの歴史を振り返った。「11位」とはメディア、県議会、行政、医療、産業、大学、患者、建築、宗教、人生学、終末期医療(在宅医療)のこと。「それらが一体となって、患者目線を重視した“新しいがん医療の向上”に取り組んでいきたい」と訴えた。

 また支援塾に参加したがんサロン運営者がサロンの紹介・運営状況を発表。また「理想のがんサロンを目指すには」と題してグループワークを行った。

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