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 アドアーズ(東京都港区)は、昨年11月に買収した日本介護福祉グループ(以下・JCG/同)を8月11日付で売却した。売却先は創業者であり会長の藤田英明氏で、譲渡額は5000万円。藤田氏主導のもとで、既存事業所の立て直しを図っていたが介護事業の収益改善が見込めず、売却に踏み切った。

 アドアーズは昨年JCGを10億円程度で取得。介護事業の開始によって業容・収益の拡大を図り、アミューズメント事業の低迷や、消費税増税の影響による厳しい状況を打破しようとしていた。

 しかし、今年4月の介護報酬改定により、JCGの主力事業である小規模デイサービスの介護報酬が想定以上に引き下げられたこと、介護事業の競争激化により利用者数が伸び悩んだことから、今年度第1四半期のデイサービス事業の業績が計画値を大きく下回った。さらに収益改善を見込めなかったことが今回の最大の売却要因となった。

3ヵ年計画の達成不可能に

 アドアーズは5月、今年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定し、介護事業においては、「居宅介護事業所を120ヵ所まで拡大」「介護人材養成機関を開設し6億円まで成長」「M&Aにより、病院から大型介護施設までグループ化する」ことを掲げていた。

 JCG取得後はその方針に沿って、居宅介護支援事業所を新たに8ヵ所新設したほか、介護人材養成機関の開設に向け準備を進めてきた。さらにM&Aに関しては、十数件の案件を抱え、そのうち介護・医療合わせて3~4件の検討を進めてきた。

 中期計画では2018年3月期の介護事業は売上高102億円に、営業利益4億9000万円を計画していたが、現況ではその計画達成が不可能と判断。早期に介護事業を切り離した形だ。

 今回の介護事業の譲渡に伴い、役員報酬を減額することも決定している。JCG役員を兼ねた、代表取締役社長は任期満了まで月額報酬の5割減額、同じくJCG役員兼担当取締役は任期満了まで月額報酬の2割減額、JCG取得の決議に参加した取締役は3ヵ月間月額報酬の1割減額を実施する。

 アドアーズでは、「JCGを譲渡し介護事業を休止したものの、介護市場の有望性は変わらない。独自で介護事業を開始することは難しいが、M&Aや既存事業者のノウハウを活用した介護事業の展開は今後も十分にありうる。可能性を探っていく」(広報部)と話している。

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