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 高齢者施設での虐待問題について各分野の有識者に意見を聞く連載企画。今回は、高齢者住宅紹介事業者からコメントしてもらった。

ーー虐待が発生した場合、紹介事業者はどのような対応をしますか。

田中 「公正・中立な立場から、消費者にとって最適な住宅を紹介する」という立場ですので、虐待など消費者の安全を脅かすような事態が発生した住宅(事業者)については、「その住宅を指名して紹介を依頼してきた」「条件に合う住宅がそこしかない」などといった場合を除き、紹介を停止することが一般的です。後者の場合も、必ず「ここの住宅では虐待行為がありました」と説明をしての紹介になります。

ーー紹介を再開する目安は。

田中 虐待について「なぜ、発生したのか」「今後、どのような対策をとるのか」などについて、明確な説明がなされたときです。事業者の中には、虐待に限らず何か不祥事や事故があると「真摯に受け止め、再発防止に努める」といった旨の文書をホームページ上で公開したりファックスしたりして、後はダンマリを決め込む、というケースがあります。
 しかし、これでは「お詫び」はしても「説明」をしたことにはなりません。紹介事業者に限らず外部からの信頼を得るには、なるべく早い段階で公的な説明を行うことが重要です。
 これまでも、虐待が明らかになり、事業者として何ら公的な説明がないにも関わらず、運営する住宅からは「空室がこれだけあります。入居者を紹介して下さい」との連絡が大量に来る、といったケースがありました。虐待の発生をどうとらえ、対外的にどのように対応していくのか、という点について事業者全体として意思統一が図られていないと感じます。

ーー逆に、いい対応と感じた例はありますか。

田中 以前、虐待が明らかになった有料老人ホームでは、公的な発表・会見、マスコミ報道がある前に、社長自身が当社に「私のホームに入居者を紹介すると、田中さんの会社にも迷惑をかけるかもしれないので、紹介をストップして欲しい」と連絡してきました。即時対応という面で、非常に良かったと思います。
 虐待をゼロにできれば一番ですが、それは現実的には困難ですし、虐待以外にも高齢者住宅の現場では、様々な事件・事故が起こるものです。発生防止策を講じると同時に、起こった場合の対応策もしっかり考える必要があります。そこが不十分と実感する事業者は少なくありません。逆に、対応策がしっかりしている事業者であれば、安心して紹介できます。

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