医療法人社団勝優会(東京都港区)は昨年10月、別の医療法人が同区三田で4年前に開設した住宅型有料老人ホームの運営を承継した。がんの末期など医療依存度の高い入居者のホスピスとして運営していく。

 施設名称は運営承継後、変更し「ホスピタルケア白金高輪」とした。建物は8階建て、居室は13平米台から26平米台まで広さに応じて3タイプあり、合計19室。1階に訪問介護と居宅介護支援事業所を併設している。承継時点では3人が入居している状況だったが、12月末までに6人増え、入居者は9人となった。申し込みも12月下旬時点で3件ほど入っている。

 がん末期をはじめ医療依存度の高い入居者でも受け入れ可能。現在の平均要介護度は4超。喉頭がんによる気管切開、経鼻栄養、パーキンソン病などの患者が入居。医療機関がサポートするホスピスの特色を前面に出すことで、入居者や家族に訴求していく。退院後、自宅の受け入れが可能となるまでの短期宿泊やレスパイトとしての役割も果たしていく計画。

 同法人の齋藤勝也理事長は開業前、消化器・内科医として病院に勤務。慢性期の多くの高齢患者が老人病院に転院する姿を見て、住み慣れた自宅で過ごしてもらうことが理想と考えた。開業後はかねてから志望していた在宅医療に注力。自宅への訪問診療を本格的に開始した。

 「様々な個人宅に訪問することで一定の介護力や家の広さが必要との確信に至り、ホームの運営を志すようになった」という。

 2階に食堂と浴室(個浴)を配置。一部の居室に浴室やシャワー設備を設置。共用の個浴は重度の入居者が利用しやすいよう改装する予定。現状、寝たきりの入居者には外部の訪問入浴サービスを提供している。

 8階は多目的ルーム。AED講習会やポン酢・味噌づくり教室など地域住民との交流の場として活用。また承継後に壁紙の貼り替えを施した他、いすやスリッパ殺菌装置などの備品を設置した。

 スタッフは前運営法人から全員引き継いだ。法人から派遣した施設長、看護師、事務員3人を含め9名が在籍している。近隣の芝にあるグループのクリニックとも連携。看護師24時間常駐体制を整える。

 入居費用は家賃14万円~19万円、管理費7万5000円、食費4万8600円、合計26万3600円~31万3600円。入居一時金はない(敷金のみ)。

 齋藤理事長は2011年にたまち徳栄ビルクリニック(港区)を開院。その後、静岡県富士市や東京都板橋区にも拠点を設け、外来診療から在宅医療まで地域医療に携わっている。富士市の「するがクリニック」では、直近1年で50人以上、板橋区の「志村坂クリニック」では、同15人の看取りを実施。「ホスピタルケア白金高輪」でも既に1人を看取っている。

 「最期までその人らしい人生を送れるようサポートするとともに、社会から隔絶されないよう地域に開放されたホーム運営を目指したい」(齋藤理事長)。

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