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 サービス付き高齢者向け住宅のマーケット拡大が続いている。しかし、一方で不健全な経営を行う事業者の存在など問題点も指摘されている。こうした点に対し、一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会(サ住協・東京都品川区)は、新たな研修の開始など、さまざまな対応策を講じる予定だ。小早川仁会長に話を聞いた。

──サ付き住宅市場が順調に拡大しています。

小早川 登録物件数が20万戸を超えるなど、マーケットは拡大しています。しかし、一方で「開設はしたものの、運営が上手くいかない」といった物件も増えており、当社(学研ココファンホールディングス)やサ住協のもとにも相談が持ち込まれています。また、入居者全員に併設するデイサービスの利用を要請するなど、不健全な経営を行っている物件も見受けられます。協会としては、こうした物件が健全な運営ができるようにバックアップする考えです。

──具体的にはどのようなことを行っていく考えですか。

小早川 これまでは、東京、大阪、札幌、仙台、福岡などの大都市圏で経営者向けセミナーを行って来ました。しかし、これでは参加できる事業者の数には限界があります。そこで、今後は要望があれば地方都市、中小都市でも同様のセミナーを行っていきます。サ住協の会員でなくとも、地元のサ付き住宅事業者数社が集まったりすれば対応していきます。
 もうひとつは、健全・好調な運営を行っているサ付き住宅の見学会を2~3ヵ月に1回程度の頻度で開催していきたいと考えています。現在見学先候補となる物件をピックアップ中です。

──セミナーは経営者層向けだけですか。

小早川 昨年の高齢者住宅における入居者虐待の問題など、スタッフ個人の資質などが問われるような問題も発生しています。そこで、現場スタッフの資質向上に向けた取り組みも行っていきます。具体的には、各種法規、接遇・マナー、認知症、看取りに対する研修などです。また現場スタッフ向けのメルマガ配信なども行っていく考えです。

──こうした取り組みが実を結ぶためのポイントは。

小早川 サ付き住宅は「玉石混交」と言われています。この状態を脱するには「石」を減らして「玉」を増やすしかありません。
 そのためには、サ住協の会員を増やし、セミナーや研修を受けている事業者の割合を高めるのが最も近道です。現在、戸数ベースでは34・5%がサ住協の会員となっていますが、早急にこれを50%にまで引き上げていく必要性があると実感しています。
 現在の様に、不健全なサ付き住宅が多いと、国や自治体は今後、何らかの規制やルールをサ付き住宅の開設・運営に際して課して来ることも考えられます。それらの規制やルールは事業者のコストなどの新たな負担を増やすことになります。そして、そのコストは家賃など何らかの形で利用者が負担することになります。サ付き住宅が消費者にとって気軽に利用できる存在であり続けるためにも、健全な運営を行っている物件を1件でも増やすことが必要です。

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