投資ファンドのユニゾン・キャピタル(東京都千代田区)は今年5月、小規模な医療・介護事業者を集約し、規模や資本を活かした効率化・先端テクノロジーの導入による質の高いサービス提供を目指す新会社を設立した。会長に就任した医療法人社団鉄裕会の医師・理事長の武藤真裕氏に話を聞いた。

 

 

──新会社「地域ヘルスケア連携基盤(CHCP)」の設立目的について

武藤 日本の医療・介護は圧倒的に小規模事業者が多く、人員・資本の規模を活かした運営効率化・テクノロジー導入が非常に難しい。例えば、調剤薬局市場は上位20社のプレーヤーの市場寡占度は20%以下で、大部分が中小事業者だ。また、厳しい経営環境から地域のために活動している事業者の承継も進まないということも少なくない。CHCPではそうした小規模な事業者を集約し、地域医療・介護の効率化を進めていきたいと考えている。

 

──CHCPの特徴は

武藤 CHCPはファンドではなくユニゾン・キャピタルが約3億円を出資した事業会社であり、ファンドのように必ずしも短期の収益を目指すわけではない。事業の考えに賛同したメガバンクや地銀などからは融資の打診もいただいている。メンバーには企業再生などに強い人材が揃う。社長には大手コンサルや政府系ファンドなどで経験のある国沢勉が就任。金融機関や商社などから人材を派遣したいという希望も受けている。

 

──第一号案件として群馬県で調剤薬局12店舗を運営するケイ・アイ・ティーを傘下に収めた

武藤 持ち込まれる多くの案件の中から選定した。今後、投資する事業としては調剤薬局をはじめ、病院・看護などを含めた医療が中心になるだろう。エリアは主に広がりが期待できる都市部になると考えている。いつまでにどのくらいといった具体的な数値目標は特に立てていないが、対象となるのは地域に根ざした小規模な事業者だ。

 

──CHCP傘下法人をどう改善していくのか

武藤 日本の社会保障費は膨張を続け、医療・介護サービス単価の価格圧力は今後も強まってゆく。運営効率化は絶対条件だ。資本・経営ノウハウの提供、経営人材も派遣して改善させていく。連携する規模を拡大していき、その後はそこに遠隔医療、ロボットなど先端テクノロジーを導入していくことを検討している。私が運営する鉄裕会のグループで、在宅医療ソリューションなどを手掛けるインテグリティ・ヘルスケアやTetsuyu healthcare HD(シンガポール)のノウハウも提供し、地域ケアモデル創出をサポートしていきたい。

 

■武藤真祐氏の略歴
東京大学医学部卒、同大学院医学系研究科博士課程修了。東大病院、三井記念病院にて循環器内科・救急医療に従事後、宮内庁で侍医を務めた。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2010年に裕ホームクリニックを設立。東日本大震災後に石巻において、在宅診療所裕ホームクリニック石巻、及び石巻医療圏健康・生活復興協議会を立ち上げ、被災後の医療支援、生活支援に取り組む。東京医科歯科大学医学部臨床教授、厚生労働省情報政策参与、日本医療政策機構理事。

 

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