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神奈川県西部、人口20万人規模の小田原市。第7期介護保険事業計画で「自立支援型ケアマネジメント」の推進に取り組む。市としての方向性が示されたことでこれまで各事業者や一部の協議会が取り組んできた活動の連携強化に向けて、機運が高まっている。1958年に特別養護老人ホームを市内に設立して以来、ショートステイ、デイサービス、訪問介護、グループホーム、配食サービスなどを提供し、市の福祉を牽引してきた社会福祉法人小田原福祉会の時田佳代子常務理事に話を聞いた。

在宅サービス総合支援

制度にない事業で牽引

──地域との関わりについて教えて下さい。
時田 40年前に50床の特養を設立したことが、当法人の始まりでした。そこで、創業者である父が、面会に来る家族を毎日待っている入居者の姿を見て「施設で生活することは、本当にその人にとって幸せなのだろうか」という考えを抱くに至ったそうです。
黎明期から、「地域住民が自宅で暮らし続けるために尽力したい」という理念がありました。

──2012年の定期巡回・随時対応サービスなど、新たなサービスをいち早く実践されています。新事業開始時には市から働きかけがあったのでしょうか。
時田 行政を動かしていくのは、実践者である私達の方だと考えています。例えば、高齢者介護が措置だった時代には、家族のレスパイトを目的として、ボランティアで高齢者を1泊2日預かっていました。今でいうショートステイですね。
当時は国で決められた事業を行うことが社会福祉法人の役目であり、入居者のためのお金で施設の外にいる人に対するサービスを行うことを否定されていました。「監査の度に戦いだった」という話を聞いています。しかし、次第に地域住民の福祉ニーズを集め、形にしていくことで行政からの信頼を得ることになり委託事業を受けることなども増えました。

ショートステイの例も、全国を見渡せば、宅老所の取り組みがモデルになった小規模多機能型居宅介護も、制度ありきの事業ではありませんでした。こうした取り組みを通じて現場の実践が制度を作っていくということを実感してきました。

──2016年に開始した新規事業「暮らしのデザイン室」ではどのような取り組みを行うのでしょうか。
時田 福祉用具貸与事業を中心に配食、福祉移動サービスなど在宅要介護者や家族の「暮らし」を総合的にサポートします。福祉用具貸与を中心にサービス設計した理由は、ケアプランの中で、最も広く組み込まれるサービスであることです。介護ベッドの導入などを入口に家庭に入り、制度が拾いきれない「暮らしの困難」を把握・解決するサービスに繋ぎます。

18年度介護報酬改定以降では、訪問による生活援助ニーズも増すでしょう。保険制度に依存しない支援方法を考えていきます。

「ケアマネジメント、官民で」
市内300法人に新指針を表明

小田原市は16日、介護サービス事業者連絡会議で市内の介護事業者約300法人に対し、来年度から「自立支援型ケアマネジメント」を推進していく姿勢を示した。要介護度の改善などで成果を出し、先進地域とされている埼玉県和光市をモデルとしながら、市独自の仕組みの確立を目指す。

吉田文幸高齢介護課課長は小田原市で、過去1年間に要支援認定者が7・0%、要介護1が7・3%と後期高齢者人口の伸び率3・6%を大きく上回ることを紹介、現状に対する課題を示した。

市は昨年12月末に和光市におけるケアプラン検討の場「コミュニティケア会議」を視察。マネジメントの在り方やその効果に対する評価の枠組みを学んだ。3月にはその仕組みを部分的に取り入れて、同様の成果をあげている大分県を視察する。

小田原市でも、介護事業者、医療専門職、市職員などを交えたケアプラン検討を行う体制を敷く。ここでの決定は一定の拘束力を持つ代わりに、市も一定の責任を負う。また、要支援者や自立高齢者の居場所づくりにも注力し、介護保険から外れた場合も「引き続きフォローする体制を整える」として「関係者が前向きに取り組める仕組みを共に考えたい」と呼びかけた。

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