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2018年04月11日号

MOEホールディングス サ高住中核に800戸

 「余市町CCRC」着手

 

 今年で創業20周年を迎えるMOEホールディングス(札幌市)は、CCRC構想とM&A戦略を両輪に事業拡大を目指す。新企業理念の行動指針として「MOE PRIDE. Action8」を掲げ、今までの理念をベースに、介護を通して高齢者やその家族、社会に役立つことで感動を共有できる組織づくりを行う。今後の展開について、水戸康智社長に話を聞いた。

 

「活き活き生活を支援」

高齢者と社会をつなぐ

 

──事業内容について教えてください

水戸 MOEホールディングスは2009年に設立。グループの中核を担うのが1999年創業の萌福祉サービス。道内11市町村で48の介護福祉施設を運営しています。そのほか、テクノスコーワ、医療・福祉・介護コンサルティングのネクスウェル、医療法人社団萌水会、配食サービスや施設への給食、飲食店経営を行うモエズキッチン、農業・農産物販売事業のモエアグリコネクションの6つのグループ法人で、地域に根ざした事業を展開。後志管内の余市町でのCCRC構想も進んでいます。

 

 

──CCRC構想とは

水戸 MOEホールディングス、余市町、国の三者で事業を進めていく計画で、余市町内に約15万㎡の敷地を取得。サ高住を中核に800戸規模のCCRCを着工しており、2021年に第1期が完成予定です。

 

 町の基幹産業は果樹栽培でワイナリーも多く、これまで蓄積してきた介護ノウハウを活かして、果樹園芸や野菜づくり、観光とも連携した事業展開を構想しています。

 

 高齢者向けの集合住宅や戸建て住宅の整備はもちろんのことクリニック、図書館なども整備したり、首都圏の小学生対象のサマースクールの開設や、町内の農・水産加工品を揃えた物販店舗、地元産ワインや食材を提供するレストラン、宿泊施設や温泉施設の整備も検討しています。町外の観光客や外国人観光客を呼び込めれば町の活力にもつながります。地方創生の一環として町の課題を解決できるような仕組みを作りたいと思っています。

 

 また、CCRC先進地であるアメリカの「介護を必要としない」というものの考え方を取り入れたいと考えています。

 

 

──具体的には

水戸 アメリカは高齢者介護に関して公的な介護保険制度がありません。家族介護や自己負担といった私的な負担が日本以上に高いため、病気などにならないよう、予防意識や健康管理などのグランドデザインがしっかりしています。施設に住んでいたとしても、一人一人が独立していて、自分自身の生活リズムを持ち、それに伴って活動しています。

 

 私の周りで働いている7080代の人たちはとても活き活きとしています。介護事業の経験からも、高齢者の活力は何かの役割や自分の立場があることで、人に必要とされる実感を張り合いにしていけるのだと思います。CCRC1つのきっかけとなって、老後は誰かの世話になるのではなく、自己決定して暮らすという方向へ、生き方と考え方が変わっていくことを望みます。活き活きした高齢者をみれば、若者も高齢期に希望が持てます。高齢者と社会をつなぐことにも注力していきたいと考えています。

 

 

──今後の展開は

水戸 M&Aによる事業拡大とともに、新規投資についてはCCRCに注力。近隣のアジア諸国への海外展開も視野に入れています。また、各メーカーと連携しながら、現場の課題解決と業務効率を高めるシステムとして、新しい介護のプラットフォーム構築なども進めています。これからも「新しい介護のカタチ」としてMOEホールディングスならではのサービスを追求していきます。