賃貸住宅などがメインのケネディクス・レジデンシャル投資法人(以下・KDR)は、ヘルスケアリートのジャパン・シニアリビング投資法人(以下・JSL)と3月1日に合併した。新たにケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人(以下・新KDR)として始動。合併による効果と今後の展望を、資産運用会社であるケネディクス不動産投資顧問(東京都千代田区)の佐藤啓介取締役COOに聞いた。

 

──上場ヘルスケアリート3本の内の一つ、JSLとの合併の経緯は
佐藤 高齢者施設などのアセットで構成されていたJSLは、注目度が高い一方で資産規模が膨らみにくく外部成長の機会を喪失していた。逆に賃貸住宅がメインのKDRにおいては需給環境の変化による外部成長性の鈍化という課題があった。

 今回の合併によりそれぞれの課題を克服。新KDRの資産規模は2000億円に近づいた(合併前KDR1641億円、JSL279億円)。規模拡大により資金調達力が増し、また単身・ファミリー向け・シニア住宅から高齢者施設、さらにはホテルなど投資対象施設の幅が広がることで、安定性・成長性がより高まったと考えている。

 

──ヘルスケアリートの成長が遅い理由は
佐藤 これには様々な要素がある。一つには高齢者施設は個人地主による土地有効活用、相続対策で建てられた物件が多く、リートに組み込むには1棟あたりの規模が小さ過ぎるということ。また、オペレーター(介護事業者)が情報開示に後ろ向きだったということが挙げられる。ただ、これについては理解が進みハードルは低くなっている。

 

──個人地主と比較してリートを活用するメリットは
佐藤 当社は様々な住宅、高齢者施設などを運用している不動産のプロであり、そのノウハウをオペレーターに提供できる強みがある。例えば、新KDRの保有施設であるニチイホームたまプラーザでは、施設競争力強化を目指し共有部分のバリューアップ工事を提案。オペレーターであるニチイケアパレスとの協議の上で工事を実施するとともに、入居率向上の布石を打った。これにかかる費用は新KDR側が拠出。施設の収入を高めることで我々も賃料増額の相談をさせてもらった。資産規模が大きいことで予算をしっかりと確保でき、積極的にバリューアップの提案ができる。長期保有前提のリートだからこその施策であり、オペレーターのためにここまでやる個人地主はなかなかいないのではないだろうか。

 また、オペレーションの効率化を目的とした大型化、保育所・クリニックなどを含めた複合施設など比較的規模の大きな開発を望むオペレーターは少なくない。こうした要望にもファンド・リートを活用した開発型スキームで対応も可能だ。

 

──今後の展望は
佐藤 中期的に資産規模は3000億円を目標としている。現在の新KDRのポートフォリオではヘルスケア施設の比率は15%ほどだが、これを20%まで高めていくつもりだ。既存物件は月額30万円以下の中価格帯からそれ以上の高価格帯、入居者は自立から要介護5までバランスの取れたポートフォリオとなっている。今後も制度リスクを考慮し、特定施設だけに偏らないポートフォリオを組む。その際は外付けサービスの品質もしっかりと見ていく。

 投資家にとっても、また一般消費者にとってもヘルスケア施設の透明化は有益だと考えている。その一翼を担っていきたいと考えている。

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