入居者の状態に応じて移り住み可能な住居や居室へのリフト導入など、独自の理念に基づき、高齢者住宅の開発に取り組んでいるオリックス・リビング(東京都港区)。森川悦明社長に経営方針を聞いた。

── これまでの開発実績は。

森川 今年6月時点で住宅型が25ヵ所・2181室、介護付が5ヵ所・379室、高齢者向け賃貸住宅が2ヵ所・166室に上る。

── 高齢者住宅開発における戦略・考え方について。

森川 既存の施設類型・制度に捉われることなく、高齢者の「理想の住まい」を追求してきた。立地条件についてもターミナル駅周辺や、住宅地としての人気エリアなど条件を変えながら挑戦と模索を続けている。

例えば、2002年。まだ、「住宅型有老」がなかった頃にその原型となる住まいの開発を計画した。訪問介護・居宅支援事業所・クリニックを併設した複合施設を開発し、「まちづくりの中心施設」を目指したものだ。

当時は制度や前例がないということで、実現が叶わなかった地域もあったが、神奈川県で、将来の「住宅型」の制度化を踏まえて背中を押してもらい計画を進めることができた。

このように当初から制度に沿って住宅を開発したのではなく、「理想の住まいを追求してきたら制度が追い着いてきた」というのが私たちの実感だ。

例えば今、横浜市の特定施設で要介護3以上しか受け入れることができないが、介護の必要な度合いによって入居者を線引きするのではなく、自立した人生を支援していくことが我々の使命だと考えている。

── 住宅型有老を中心とした展開で「自立から重度対応まで」が可能なのか。

森川 当社有老のブランド「グッドタイムリビング」の要介護度別による入居比率を見てみると要支援~要介護5まで、ほぼ15%前後で拮抗している。これは、まちの中のコミュニティと同じと言えるのではないか。更に、契約終了理由を見てみると40%と最も多いのが「ホームでの逝去」だ。3割が病院で亡くなっている。多くの入居者に終の住処として選んでいただいていることの表れだと捉えている。

── 稼働率と今後の開発計画は。

森川 開設して2年以上が経過した住宅では、入居率は90~97%ほどだ。それ以降のものになると、少し苦戦し始めている。高齢者住宅はすでに供給過剰感があり、新たにホームを開設すればすぐに居室が埋まっていた6、7年前とは様変わりしている。そのため、新規開設は積極的に計画していない。

市場を見てみると、サ高住が充足してきたことで有老でも価格競争が激化している。在宅の限界点も上がっていくだろう。高齢者住宅はその役割を明確化する段階に来ていると感じる。具体的に立地の良い物件など具体的な案件が上がってきてから個別に開発を検討していく。

その分、これまで以上のICTの開発・導入による効率化やサービスの質向上に注力していく。

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