スポンサーリンク

全員が同一水準のサービス提供

Recovery International(東京都新宿区)は、ドミナント展開がセオリーの訪問看護事業において、東京を拠点に静岡・兵庫・高知・福岡・沖縄にもステーションを構える特異な企業だ。平均年齢30代前半、マネジメントが難しいと言われる医療職約100名を遠隔でどう束ねているのか。大河原峻社長に聞いた。

 

 

──これまでの歩みを
大河原 私自身が看護師であり、救急やICUでも勤務していました。当社を設立したのは2013年、東京(新宿区)がスタートです。その後、静岡・兵庫・高知・福岡・沖縄に、サテライトで離島の新島を含め東京6、沖縄1拠点を開設しています。

 

──訪看はドミナントがセオリー。飛び地戦略は非効率ではないのか
大河原 単純な経営戦略でみれば非効率と言えますが、いくつかのメリットがあるのもまた事実です。
例えば、東京に集まる看護師には地方出身者も多く、「いつかは地元の役に立ちたい」と考える人も少なくありません。そうした人たちをまずは東京で採用し、将来的には地元で働きたいという希望を叶える「Uターン支援」を用意しています。事実、当社が展開する事業所は地元出身者が中心となっています。また、各地域での採用では「全国展開している企業」という安心感がフックになり、人が集まりやすいという効果もあります。都内での展開はドミナントを基本としています。

 

──地元に戻って開業となると独立希望者もいるのでは
大河原 中には自身で法人を立ち上げて完全に独立したいという者もいますし、それはそれで応援するスタンスです。ただ、訪問看護は開業数も多いですが休止・廃業も多く、経営を安定させることが非常に難しい事業です。それであれば、当社のUターン支援を活用して出店する方が得策です。事業運営にあたって必要なことはすべて本社がサポートできます。

当社では各事業所・個人の考えを最大限尊重する組織風土となっているので、あえて会社を離れて独立を目指すより、本来叶えたかった「地元貢献」という想いを低リスクで実現できるのがメリットだと考えています。

 

 

Uターン出店も支援
──サテライト含め全国13拠点、100名に及ぶ医療職を抱えている。拡大できた要因は
大河原 規模はまだまだ小さいことを前置きした上でお話ししますが、ある一定程度までは「会社の想い」で増やすことはできると思います。ただ、広域・多店舗化していく過程では会社のルールやコンプライアンスは順守させた上で、「事業所の想い」を尊重し、裁量を持たせることが必要だと感じています。
介護・医療はローカル色が非常に強い業界です。東京本社のやり方が必ずしも他の地域の正解ではありません。各事業所が想いをもって地域に貢献できるようサポートすることが大切なのではないでしょうか。

 

──競合との違いはどこにあると考えるか
大河原 一人の利用者に対して、事業所のスタッフが誰でも同一水準のサービスを提供できる仕組み作りです。24時間365日を一人が対応することは不可能ですし、退職してしまえば利用者や家族、他職種にも迷惑をかけることになります。チームで対応できることが最終的には利用者利益に資するのです。そのためには教育の徹底・情報共有などやるべきことは多くあります。

 

営業的な部分では、ある経営コンサルタントの方に「当たり前のことが当たり前にできている」ことが当社の強みと言われたことがあります。
個人・事業所単位の訪問件数や売上、利益、新患数などについて週次・月次で所長以上が共有しています。何か問題があればすぐに軌道修正が可能です。これは一般的なサービス業では当たり前ですが、訪看業界ではまだまだ管理できていないところが多いと聞きます。

 

──営業の方針は
大河原 新規営業については基本的に所長が行いますが、最低5回は顔を出すようにと伝えています。「1回しか会ってないのに信用されるのか」と話せば自然と理解し行動してくれます。

事業所には事務スタッフや営業の専任担当は置かず、全員が事務も営業も行います。タブレットなどで効率化を図っているとはいえ、他社に比べれば医療職がこなす事務作業は多いでしょう。しかし、医療職がレセプトまで管理することで、個々人が事業所の売上を意識する強いチームになります。

 

──営業も事務も、となると反発があるのでは
大河原 採用面接の段階でしっかりと説明しますし、方針を理解せず、チームで仕事ができなそうな人は採用しません。面接には独自のチェックシートを使いますが、半数は不採用になります。それだけ採用には慎重になっています。
また、当社は代表の私が看護師、ほかの役員2名は公認会計士、理学療法士です。前職が大手監査法人の役員は思考が非常にロジカルです。訪看の現場では合理性だけではうまくいかないことが多々ありますが、私と理学療法士の役員が実践して見せることが、スタッフにも納得感を与えているのではないでしょうか。

 

──今後の展開について
大河原 東京は新宿から西側を中心に増やし、クリニックとの共同出店も検討しています。地方展開については年1ヵ所ペースで開設し、また既存事業所の拡大を進めていきます。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう