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週7回以上湯船につかって入浴する高齢者は、週2回の高齢者と比べ要介護認定になるリスクが約3割減少するという研究結果が昨年11月に発表された。冬の浴室はとくに高齢者にとってかなり危険な場所(本紙昨年11月28日号1面)になるが、細心の注意を払って適切に入浴を楽しめば介護予防につながることが疫学的な調査として初めて明かされたことになる。

 

 

発表したのは千葉大学(近藤克則教授)などの研究グループで、中核メンバーの1人である東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授(一般財団法人日本健康開発財団・温泉医科学研究所所長で温泉療法専門医)に話を聞いた。
調査は北海道や愛知県など18自治体で要介護認定を受けていない65歳以上の男女計約1万4000人を対象に実施。夏と冬それぞれの入浴頻度や生活習慣について、約3年間追跡調査を行った。それによると夏に週7回以上入浴していた高齢者は、週0~2回の高齢者より要介護認定のリスクが約28%減り、冬の入浴でも約29%減っていた。

 

早坂教授は生活習慣と健康の関係について、主に疫学的、統計学的な手法を用いて研究しており、「実験室レベルではお風呂の効用はわかっていたが、疫学的な研究はこれまでなかった。今回の研究の応用で入浴を利用した介護予防対策の一つになるかもしれない」と強調する。
もともと自治医科大学医学部卒業後に地域医療に従事しているときに、入浴と血圧の関係に食指を動かされたのが早坂教授だ。
「血圧が高いときに入浴を避けるのは、看護や介護の職員は経験上わかっていたが、どの程度血圧が高いと危険なのか数的な指針はなかった」。これが端緒となり入浴習慣などの研究をするようになった。血圧に関しては10年ほど前に介護事業者にアンケートを行い、2000人の調査結果から、上が160、下が100を超えると、入浴関連事故が増えることを突き止めた。

 

一方、ヒートショックなど浴室での事故を防ぐには①水分を取る②脱衣場と浴室を暖める③掛け湯をする④湯船のお湯は38~40度にする⑤入浴時間は10分とすることが重要だ。
「浴槽内の水温に関しては42度になると血圧が上がり、また血液粘度が強くなって血栓ができやすくなる」と早坂教授。また寝る90分~2時間前の入浴が睡眠と体温を考える上でもいいという。

 

「四日市の病院では、介護施設の入浴の時間帯を夜型に変えたことで、入所者のせん妄などが減ったというデータもある。入浴で幸福度が高くなったり、健康度が高かったりと、さまざまなプラス面もある。今後介護予防にも生かしたい」

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