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2019年01月23日号

入居率68%から98%に 時短勤務等で人材確保/ライクケアネクスト

 首都圏で約1300室の高齢者住宅を運営するライクケアネクスト(東京都千代田区)の社長に昨年12月1日付で就任したのが我堂佳世氏だ。今後、取組みたいことなどについてインタビューした。

 

5年前にM&A 2年間で黒字化

──会社について教えてください。
我堂 もともと「サンライズ・ヴィラ」の社名で神奈川県を中心に有料老人ホームを手掛けていました。5年前に人材サービス会社であるジェイコムがファンドを介してM&Aをしました。その後、ジェイコムがライクに社名変更し、当社も社名をライクケアネクストに変更しています。
 私はそのM&Aのときにジェイコム側のメンバーとして全面的に携わりました。その後は親会社の役員として、ライクケアネクストの管理部門などに関与してきました。

 

 

特定技能で外国人受入
19年度は20人来日予定
──5年の間に取組んだことは。
我堂 M&Aをした当初は、高齢者住宅の入居率は68%、年間3億円の赤字を出しているという惨憺たる状況でした。本部が現場をしっかりサポートするという体制がとれていないため離職者が相次ぎ、人員配置基準を満たせないため空室があっても入居者を入れられない、という悪い循環に陥っていました。そこでM&A後は、人を定着させる、ということに注力しました。

 

 


──具体的に取り組んだことは。
我堂 本業が人材会社で介護業界にも人材を送り出していましたから、同業者の給与水準などもよくわかっています。それをもとに給与体系の見直しを図りました。また、空室をスタッフのための休憩室に転用しました。館内のケアステーションなどのようなところでは休憩中にも入居者や家族などから次々に声をかけられるため十分に休めません。
 人材の採用に関しては、「短時間」「非常勤」スタッフの比率を高めました。これにより育児などでフルタイム勤務ができないなどといった事情を抱えている人材を新たに呼び込むことができました。看護師の確保がしやすくなり、結果的に医療体制強化が図れました。そのことがケアマネジャーや入居相談事業者などの間に自然に広がり、入居率も上向きました。M&A後2年間で会社を黒字化することができました。現在の入居率は98%です。

 

 


首都圏中心に新規開設予定

──ホームの新設も行っています。
我堂 会社を立て直すことができましたので、事業の拡大にも目を向けられるようになりました。昨年5月に「西葛西」、7月に「磯子」、10月に「藤沢六会」を開設しました。
 2019年度は開設予定はありませんが、20年度以降は新設を再開させます。最大で年間3棟程度を考えています。首都圏で有料老人ホームを軸とした展開を進めていきます。

 


──社長として、今後力を入れることは。
我堂 人材サービス会社が運営する高齢者住宅が人手不足では話になりませんので、人材の充足に力を入れていきます。そのために外国人などさまざまな働き手を活用していきます。外国人についてはベトナム、ミャンマーから特定技能での受入れを行います。19年度は20人ぐらいを予定しており、20年度以降拡大させていきます。
 また、より少ない人員で高齢者住宅を運営できるように介護現場でのIoT活用にも注力していきます。グループでは保育事業も手掛けていますが、そこでは保育園と保護者との毎日の連絡はペーパーレス化しています。こうしたノウハウを介護現場でもうまく活用し、記録や申し送りなどを簡略化していければと思います。