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2019年は、10月に消費税率の引き上げ、4月より「特定技能」の新制度により外国人材が日本での就労ができるようになる。業界の取組むべき諸問題について、公益社団法人全国老人福祉施設協議会(東京都千代田区)の石川憲会長に話を聞いた。

 

 

──今年10月に消費税率が引き上げられる、事業者への影響は。
石川 消費税法において課税対象になじまないもの、社会政策的な配慮から課税することが適切ではない取引は非課税とされている。非課税取引である介護保険サービスについて、事業者は納税事業者とならない。介護保険サービスの仕入税額控除を行えないため、税負担は介護報酬で手当される。
結果、本体報酬や一部加算などは若干の増額となり、利用料は上振れするが、大幅な額面ではないため許容範囲として受入れられるだろう。当会の会員施設・事業所においては大きな影響は出ないと思う。
また、特養は低所得者の生活を支える施設でもある。利用者の負担増という形で過剰に転嫁されることのないよう、国に配慮を求めたいと考えている。

 

 

――外国人材の受入れについて。
石川 世界に先駆けて超高齢社会を迎えた日本の介護を海外へ拡げていくこと、厳しい人材不足の状況も踏まえれば、優れた外国人材に活躍の場が生まれることは、非常に望ましい。
特に、特定技能は技能実習制度を促進させる制度であると着目している。詳細については今後の課題だが、介護現場からは期待が寄せられている。
EPAは、10年をかけて浸透し、引く手あまたの仕組みとなった。その経験から新制度においても下地は出来ていると思う。
多様な制度に基づく外国人材受入れの好事例を広く展開し、外国人材がそれぞれの制度の趣旨に専念できる環境の整備を主眼において、言語教育、住環境整備などの点から、受入れを希望する事業者を支援していく仕組みづくりが求められるだろう。

 

 

人材不足解消

アクティブシニア活用 若年のキャリア支援も

 

――人材不足を解消するための施策として有効なものは。
石川 アクティブシニアに活躍してもらう余地は、介護分野にも多く存在すると考えている。介護助手のような周辺のサポート、介護ロボットや記録系ICTの幅が広がれば、介護現場で専門的ケアに直接関わることも現実的になる。そのため、介護のリカレント教育を深めていくことも不可欠だ。また、多様な働き方が可能なシフトを構築することも選ばれる職場の条件になると思う。
介護業界を志す若者が、将来をイメージできるキャリアパスを構築することも、事業者の使命だ。資格取得などによるキャリア形成の投資が負担にならないよう、法人側でサポートする仕組みも必要だと考えている。

 

――社会福祉法人をとりまく経営環境については。
石川 今年度の改定では医療との連携が命題として示され、その環境を得られるかが命運を分ける。財務省も社会福祉法人の大規模化による経営効率の追求を提示している。
一方で1法人1施設の体制でも、間違いなくその地域を支えている社会福祉法人がいくつも存在している。ある意味、それこそが非営利法人の本質を示す姿であって、そういった事業者がいかに今後を見据えていけるのかが、国の福祉政策にとって大きなポイントになると考えている。

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