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福祉業界こそ「デザイン」を

厚生労働省の補助事業として介護職のイメージを変え、人材確保につなげるための事業がスタートした。事業の柱は2つある。

 

1つ目の柱は、8月から4ヵ月をかけて全国8ブロックで開催した「これからの介護・福祉の仕事を考えるデザインスクール」。デザインスクールでは、各ブロック6〜7回のべ55回開催され、介護・福祉の世界にデザイン思考やバックキャスティングの手法を取り入れた。スクール生は専門職が6割、市民が4割で、実践する前提でプロジェクトを生み出している。これらのプロセスの中で、市民と専門職が一緒に考え、両者の意見や気持ちを取り入れたかたちで実現していくことを目指した。

 

僕たちコミュニティデザイナーはそれを見守り、アイデアを引き出し、実現化するお手伝いをしてきた。生み出したプロジェクトは約70種類。介護や老いのイメージを変えるモノのデザインから現場のサービスをよりよくするサービスのデザイン、さらには施設を地域に開いていくためのコミュニティデザインまで含まれている。以降の連載では介護・福祉の現場に必要なこれらのデザインについて解説したい。

 

また2つ目の柱である「おいおい老い展」は、これらの集大成を展示する3月21日〜25日に5日間開催するエキシビジョンイベントだ。デザインスクールからうまれた70プロジェクトだけでなく、スクール生の考え方、働き方、生き方を変えるきっかけを随所につくった。その結果、どんな変化がどのように起きたのかという変化の経緯も展示する予定だ。連載の最終回では老い展の見どころについても解説したい。

 

介護・福祉の課題を専門領域だけで解決しようとするのではなく、市民の意見を聞き、デザイナーやアーティストといったクリエイターの参加も得て、みんなで共有して解決していく試みにぜひ注目していただきたい。

 

 

山崎 亮(やまざきりょう)
studio-L 代表。慶応義塾大学特別招聘教授。
1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。社会福祉士。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-L を設立。
地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。

 

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