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第17回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会が14日開催され、2018年度調査の結果が報告された。前回改定の影響などを調査したもので、見守りロボットの導入効果、入退院連携の課題などが明らかとなった。また、特別養護老人ホームと介護老人保健施設の安全・衛生管理体制についての初の全国調査の結果が報告された。

18年度調査は、報酬改定で変更があった点について、効果や影響を確認するために行うもの。(1)介護保険サービスの質の評価、(2)介護ロボットの効果実証、(3)居宅介護支援事業所・介護支援専門員の業務実態、(4)福祉用具貸与価格、(5)介護医療院におけるサービス提供実態、(6)特別養護老人ホームにおける安全衛生管理体制、(7)介護老人保健施設における安全衛生管理体制、について調査が実施された。

見守りを行う介護ロボの導入事例においては、利用者に対する調査、職員に対する調査の双方が行われ、利用者からは「気を遣わなくてよい」「見張られているようで嫌だ」という感想のほか「転倒が減る」という回答が37・1%と顕著に多かった。施設側からは「利用者の行動パターンが把握できる」67・8%、「優先順位の判断ができる」64・7%という回答が多かった。
特養と老健における安全管理体制の在り方についての調査結果も報告された。国がこれらについて全国的に調査を行うのは初の試み。事故、衛生管理、身体拘束廃止、災害対策やクレーム対応などの状況を調査した。

特養については、被災地をのぞく全国無作為抽出の2519事業所に郵送、回収は1188で回収率47・2%。設置している市区町村および都道府県にも調査を行った。老健については被災地域をのぞく全国の3696事業所に郵送、回収は1205で回収率32・6%。
特養について、市町村に報告すべき「事故」の範囲を定めているかどうかで「定めている」58・2%、「定めていない」41・6%。範囲を定めている場合、報告対象は「転倒」83・9%、「転落」82・4%、「誤嚥」81・5%、「異食」77・6%とつづく。速報値だが、2017年度の特養からの「死亡」報告件数は772施設で1117件。

一方、老健では、報告すべき事故の範囲が「定められている」が89・7%と、ほぼ定められていることがわかる。報告対象は「転倒」84・3%、「転落」78・2%、「誤嚥」65・7%。「誤嚥」について、特養と老健で15ポイント以上の差がある。速報値だが、老健から市町村への「死亡」報告は17年度に275施設で430件。

検証・研究委員会ではこの死亡者数について意見が多数出された。今村知明委員(奈良県立医科大学教授)は、「『事故』の概念もばらばら。死亡者数についてはこのまま数字が独り歩きしかねない」と懸念を表明。近藤和泉委員(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター副院長)は「ヒヤリハットの定義もあいまい。家にいても転倒はする。家庭においての『事故』の数字との比較なしに施設同士を比較するのはナンセンスだと思う」と指摘した。
福井小紀子委員(大阪大学大学院教授)はこの調査の担当委員だが「専門委員会においても多くの委員が懸念していたポイント。初の調査であることにも留意し、プラスに働くメッセージとして機能するよう数字を活用してほしい」と希望を述べた。
これについて事務局は「安全管理体制の実態を明らかにすることが今回の目的だが、懸念は理解できる。数字の取扱いについては委員長と相談する」と応じた。

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