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ビジネス弁護士の最新リーガルノート -松田綜合法律事務所―

労働安全衛生法で定められているいわゆる法定健康診断は、事業者の義務となっており、罰則(罰金50万円)も設けられています。昨今、労働災害が増加傾向にあるため、労働基準監督署が立入検査において、法定健康診断の実施について厳重に確認する傾向が強まっています。今回は、法定健康診断の基本について改めて確認することにしましょう。

●法定健康診断の種類
法定健康診断は①雇入れ時の健康診断、②定期健康診断、③特殊健康診断に大別されます。

①雇入れ時の健康診断は、雇入れの直前または直後に行うことが義務付けられています。労働者が採用前3カ月間に医師による健康診断を受け、その結果を提出した場合には省略することができます。

②定期健康診断は、年1回ですが、深夜業などに従事する場合には半年に1回になります。

③特殊健康診断は、法定されている有害業務(高圧作業や放射線業務など)に従事する場合に行わないといけないものです。

●異常所見があった場合の対応
異常所見があった場合には医師から意見聴取をしてその結果を健康診断個人票に記載をしないといけません。さらに、必要な場合には就業上の措置(就業場所の変更、担当業務の変更等)を行わないといけません。この異常所見への対応は、見落としがちであることから注意が必要です。

●法定健康診断の対象者
法定健康診断の対象となるのは、常時雇用する労働者が対象です。常時雇用する労働者というのは、
・いわゆる正規雇用の労働者
・所定労働時間がいわゆる正規雇用の4分の3以上の非正規雇用労働者で無期雇用の者、1年以上の雇用期間の者、更新で1年以上の雇用期間が予定されている者、1年以上の雇用期間の実績のある者になります。
所定労働時間が正規雇用労働者の4分の3以上であるパートタイム労働者も対象であると覚えるとよいでしょう。

●法定健診の費用負担
法定健康診断は、実施義務が事業者に課されていることから、その費用は事業者が負担する必要があります。もっとも、労働者がかかりつけ医による健康診断を希望した際には、事業者の実施義務が免除されることから、かかりつけ医による健康診断にまで費用負担をする必要はありません。

●法定健診受診に要する時間の労働時間扱いと賃金の支払いの要否
法定健康診断の種類によって違いがあります。
労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれた時間のことですが、①雇入れ時の健康診断及び②定期健康診断は、健康診断実施義務を事業者に課しただけであり、労働者自身も受ける義務があるものとされています。したがって、原則的には労働時間ではないとされます。したがって、労働時間扱いをして賃金を支払うかなどは労使の協議に委ねられるとされていますが、労働時間扱いをすることが望ましいとされています。
これに対して③特殊健康診断は、その業務に従事するために行わないといけないものですので、業務関連性があり、指揮命令下で行っているものとしてその実施に要する時間は労働時間とされています。

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