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介護事業者が協力して介護人材を獲得しようという試みが始まった。今月、求職者1名の面接に6法人が一斉に参加する「ドラフト会議」が初めて実施された。全産業で人材不足が叫ばれる中、採用費にかけるコストは上昇している。同業者が手を組み介護業界の魅力の訴求、また求職者の仕事探しの効率化にも寄与する取り組みとして注目を集めている。

多法人の人事が協力
介護業界の魅力発信
「業界内で人材獲得を争っている場合ではない」(社会福祉法人あかね松本真希子理事長)
松本理事長の声がけに賛同したスーパー・コート(大阪市)、社会福祉法人基弘会(同)、シニアライフアシスト(高松市)ら関西の介護事業者6法人が参画する「採用同盟」。
介護業界への就職を検討する学生に対し、同時に6法人が面接に臨む「ドラフト会議」の第1回が4月13日・15日に大阪・兵庫で開催された。

ドラフト会議が行われる前段として、各法人幹部・人事担当者が参加する食事を兼ねた座談会を3月25日に開いた。参加希望の学生は履歴書・エントリーシートなどは不要。説明会や面接では聞きにくい話も気軽に質問できる雰囲気となるよう服装も普段着。大学1~4年生の男女14名が参加した。
その中から5名の学生が先述のドラフト会議に進んだ。学生は6法人に対してまとめて自己PRを行い、法人側の担当者は「内定」「最終選考」の札を挙げるというシステムだ。優秀な学生には6社すべてが内定の札を挙げた。

特徴的なのが、このドラフト会議で得た内定の権利は生涯有効であるということ。例えば、学校を卒業し一般企業に就職した後、内定を得た法人への転職は採用試験なく入職することができる。就職活動中ではない1年生でもドラフト会議に臨むことが可能だ。

採用同盟に参画するシニアライフアシストの濱田雅樹常務は「採用同盟参画6社は個性的な法人が多い。こういった介護事業者があることを知ってもらい、長い目で見たときに学生に就職先の選択肢として介護業界を考えてもらえれば」と話す。
実際、座談会後のアンケートには、「介護業界に対するイメージが良くなった」「楽しそう」などと感想を述べる学生もいた。

今回初めて開催された座談会・ドラフト会議だが、まずはここに参加する学生を集める必要がある。参画法人の人事担当者を中心に月に1回程度のウェブ会議などを実施し、学生への訴求方法、運営方針を検討している。

法人の枠を超えた人事担当の交流、またドラフト会議では「実際に他法人の人事が、学生に対してどういった質問をしているのかを知る良い機会」(社会福祉法人基弘会川西収治理事)など、法人側にとっても実りあるものとなったようだ。

同一エリアで多数の小規模法人が乱立する介護業界。貴重な人材を確保しようと、各法人が躍起となって広告を出稿したり、就職イベントに出展したりと、採用コストが膨らみ経営を圧迫している。中部地方で職員数約300名を抱えるある介護事業者では「広告料、人材紹介料など、月に数百万円が採用コストとして消えていく」と嘆く。

そもそも介護業界に就職しようと考える人は他業界に比べ少ない。程度はあれ、どの産業も人材不足という状況は当面続くだろう。効率的な採用計画とともに、介護業界の魅力を労働市場に訴求していく必要がある。
採用同盟ではすでに4月・5月にかけて2回目となる座談会・ドラフト会議を実施予定。今後も定期的に開催していく。
「自社だけでなく、業界を変えていこうという志ある法人であれば採用同盟への参画を募っていきたい」(社会福祉法人あかね松本理事長)
今後は就職イベントなどにも採用同盟として合同出展をする計画もある。

※※ 「採用同盟」参画法人 ※※
社会福祉法人あかね(兵庫県尼崎市)
スーパー・コート(大阪市)
社会福祉法人基弘会(大阪市)
シニアライフアシスト(高松市)
セーフセクション(大阪府東大阪市)
社会福祉法人聖稜福祉会(大阪市)

 

7月、「住まい×介護×医療展2019in東京」にて採用同盟を解説
「六甲山頂に来た人に内定」など、ユニークな取り組みで一般メディアに取り上げられることも多い社会福祉法人あかね(兵庫県尼崎市)。兵庫県で特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、在宅サービス、保育施設などを多数展開している。

同法人の特徴の一つに、そのユニークな発想を具現化し、広く周知させるための「クリエイティブの強さ」がある。ホームページを見ればその力の入れようがわかるが、従来の社会福祉法人のそれとは一線を画す。自身の法人を最も知るのはスタッフだという認識から、経営戦略室クリエイティブチームが組織されている。

「採用同盟」を含めた同法人の取り組みについては、7月23日・24日に開催される「住まい×介護×医療展2019in東京(主催:高齢者住宅新聞社)」内のセミナーにて、松本真希子理事長に講演してもらう。

 

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