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新元号「令和」の発表後、「平成最後の○○」といった商品・サービスがちょっとしたブームになっています。しかし、シニア層を対象にした場合、「平成」よりも「昭和」を時代設定にしたものが圧倒的に多いです。

例えば、NHK朝ドラの時代設定は、戦前・戦後、高度成長期の昭和が中心です。朝にテレビを観ている年齢層は、昭和文化を「世代原体験」に持っています。この「世代原体験」とは、特定の世代が20歳頃までに共通に体験する文化です。世代特有の嗜好性の多くは、この原体験で形成されます。これが齢をとってからの消費行動に影響を与えることがあり、その一つを「ノスタルジー消費」と呼んでいます。

世代特融のノスタルジー消費提供がカギ
「ノスタルジー消費」の特徴とその理由は?
ノスタルジー消費は当該世代が40歳以降になるとよく見られます。その特徴は「新しいもの」より「昔なじんだ安心なもの」を求める傾向があることです。これには二つの理由があります。
第一の理由は、脳機能の低下により新しいことの学習がおっくうになるためです。特に記憶できる量が減っていくと、新しいことの理解に時間がかかります。だから、「新しいもの」より「昔なじんだもの」が安心で楽になり求めたくなるのです。

昔の記憶を呼び起こし脳に刺激
第二の理由は、昔なじんだことは追体験効果が出やすいためです。記憶は一般に情動を伴うので、情動的な体験をすると記憶に残りやすい。また、その記憶を想起する時に情動も一緒に追体験されます。
昔なじんだ文化体験に触れることで、当時の記憶が呼び起こされます。すると当時経験した情動も一緒に呼び起こされます。それにより、若くて元気で幸せだった頃の自分を追体験します。これが、脳内のドーパミン神経系の活性化につながるのです。

ちなみに、ドーパミンは脳内でのみ合成される神経伝達物質で「元気」や「やる気」、「求める気持ち」を生み出す役割があると考えられています。
昭和世代の主婦が朝ドラを観ると元気になるのは、こうした背景があります。

 

村田アソシエイツ代表

東北大学特任教授

村田裕之氏

87年東北大学大学院工学研究科修了。日本総合研究所等を経て02年3月村田アソシエイツ代表。06年2月より東北大学特任教授。わが国シニアビジネス分野のパイオニアで多くの民間企業の新事業開発に参画。高齢社会研究の第一人者として講演、新聞・雑誌への執筆も多数。著書に「成功するシニアビジネスの教科書」(日本経済新聞出版社)など多数。

 

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