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医療法人社団焔が運営する「やまと診療所」(東京都板橋区)の2018年度の在宅看取り件数は279件で、開設6年目にして全国トップクラスとなった。その大きな要因の一つは「在宅医療PA」の存在にある。

 

 

患者らとの意思疎通 医師サポートし実現
PAとは、PhysicianAssistant(医師のアシスタント)の頭文字を取った略語で、アメリカでは集中治療室や点滴管理などの医療行為を行える国家資格として普及している。日本でも医師の働き方改革に向けて厚生労働省が制度化を検討しているが、進んでいない。そうしたPAを、やまと診療所は14年に日本で初めて在宅医療の現場に取り入れた。

同院の「在宅医療PA」は、ケアマネジャーでも看護師でもない、医療と介護をコミュニケーションでつなぐ役割を持つプロのコミュニケーターであり、医師のパートナーである。具体的には医師と共に、二人のPAが在宅医療現場に訪問。PAは、移動車の運転やカバン持ち、診療の補佐や書類作成などを行って診療の効率化を図り、患者や家族の希望をヒアリングし、医師や看護師、ケアマネなどと相談・調整することで医療の質を高める役割を担う。

 

 

その結果、同院の医師の業務割合の中で、診断業務は40%から70%に増加。医師1名の1日の診療件数も1・7倍に増やすことができた。また、質の高い医療が提供できるようになったことにより紹介が増え、PA部門設立から4年後の18年には、年間新規患者数は約4倍、在宅看取り患者数も約3倍に増えたという。

 

 

PAを取り入れた狙いについて、安井佑院長は「在宅医療を始めてわかったのは、純粋な医療行為の部分は全体の3割程度しかなく、質の高い医療を提供するためには、患者や家族の意思決定支援や、意思を実現するための環境調整を行うことが重要であるということです。しかし、医師はコミュニケーションを図るのが不得手の人が多くて、彼らに期待すべきではなく、医師にパートナーをつけて、意思決定支援や環境調整の指揮官を担える人を育成した方が良いと考えました」と話す。

 

 

PAは現在、約30名。うち3分の2は、元エンジニアやペットショップ店員など異業種からきた人たちだ。資格や過去の経験より、患者や家族の役に立とうとするスタンスが一番重要と考えて採用しているという。
PAは、「相手を主語にして共通のゴールをつくれる」ようになれば、認定PAとして認める。現在、3名が認定されており、認定までの期間は平均3年となっている。

 

 

在宅医療PAに関する今後の重点方針として、「自院で認定PAを増やしていくと同時に、『医療人』の育成を目的としたこのプログラムを外部向けに実施していきます。また、医師と患者のトランスレーターとしての能力を活かしながらPAの今後のキャリアを作っていきます」と安井院長は語る。

 

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