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---【連載第46回】財政規律と介護保険制度改革~地域包括ケアモデルの確立に向けて~---

 

今回は10月9日に開催された、財政制度等審議会財政制度分科会において議論された「社会保障について」の中身を論考したいと思います。

 

いよいよ2021年介護保険制度改定の本格的な議論が始まる中、財務省による財政再建を目的とした制度改革案も、いっそう具体的な提言案となってまいりました。今回の分科会における介護分野での提言案は7つあり、これまでの案の中からより優先順位の高い項目に絞って取り上げられています。この7つの項目の多くは、21年改定で実現される可能性は高いと考える必要があります。

 

 

7つの提言案は、①ケアマネジメントの利用者負担の導入、②軽度者へのサービスの地域支援事業への更なる移行、③地域支援事業の有効活用(地域の実情に合った多様なサービス提供の促進)、④インセンティブ交付金のメリハリ付けの強化、⑤利用者負担の更なる見直し、⑥多床室の室料負担の見直し、⑦補足給付の要件見直しであります。

 

 

とりわけ注目すべきは、②軽度者へのサービスの地域支援事業への更なる移行であります。

具体的な改革として示されている内容には、「要介護1・2への訪問介護、通所介護についても、生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく地域の実情に合わせた多様な人材・資源を活用したサービス提供を可能にすべき」などと記されており、実現可能性が高いと目されてきた「訪問介護における要介護1・2の生活援助サービスの総合事業への移管」にとどまらず、更に、通所介護の要介護1・2の総合事業への移管が実現されるのかどうかが今後の大きな議論のポイントです。

 

 

しかしながら、先行して実施された要支援1・2の総合事業への移管状況を見ると自治体ごとに大きな差が生じており、自治体によっては単純に報酬単価の10〜20%の削減というケースも散見されており、同じような形で要介護1・2が総合事業に移管され単純な報酬削減の形となれば、通所介護の大多数の経営が成り立たなくなる可能性があり、このままいくと、地域の介護崩壊を招く大きな問題ともなりかねません。

 

 

私の見解は、21年改定では訪問介護の生活援助サービスのみの総合事業への移管までになり、その他の6項目の改革案は着実に実現される可能性は高いと思います。24年改定で、具体案検討という流れになるのではと見立てています。今後、議論の舞台が介護保険部会、介護給付費分科会に移る中で、どのように議論が進展していくのか大注目の議論の1つとなります。

 

 

㈱介護ベンチャーコンサルティング 代表 斉藤正行氏

2000年3月、立命館大学卒業後、㈱ベンチャーリンク入社。メディカル・ケア・サービス㈱の全国展開開始とあわせて2003年5月に同社入社。現在の運営管理体制、営業スキームを構築し、ビジネスモデルを確立。2005年8月、取締役運営事業本部長に就任。2010年7月㈱日本介護福祉グループ副社長に就任。2018年4月㈱ピースフリーケアグループ代表に就任。2018年6月、介護業界における横断的・全国的組織となる一般社団法人全国介護事業者連盟を結成。㈱日本介護ベンチャーコンサルティンググループの代表を務めている。

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