---第80回 2040年団塊世代のデッドライン---

2040年とは、著者を含む700万人の団塊の世代(1947年~49年生まれ)にとっては、超えることができないデッドラインの年だ。現在70歳を超えた団塊世代にとって2040年は90歳超の年である。このとき団塊の世代はすでに平均寿命を超え、年間死亡者総数約170万人の大量死亡時代を迎える。

 

 

さて今年は令和元年、2040年といえば令和22年だ。これからの約20年間の年表を見てみよう。まず最初の荒波は団塊の世代のすべてが75歳以上の後期高齢者となる25年だ。この年、在宅医療の需要が今の2倍、100万人に達する。そして認知症も700万人に達する。そして30年、団塊の世代のすべてが80歳以上となり、団塊の世代の平均寿命を迎える。そして40年、平均寿命を超えた団塊の世代の大量死亡時代が訪れる。

 

 

40年に向けた航路、地域包括ケア始動
では2040年の令和20年に立って現在を振り返ってみよう。令和20年の人々は令和元年をどのように評価するだろうか?
令和元年は平成26年(2014年)の地域医療介護総合確保法の成立から5年がたち、地域医療構想や地域包括ケアシステムが各地でようやく動き始めた。

 

 

しかしまだまだ試行錯誤で、2040年へむけての大航海を前に海図を片手にさ迷っている年として位置付けられるだろうか?あるいは2040年に通じる航路をすでに見つけて力強く帆を張って走り出した年として評価されるのだろうか?

 

 

今回、「2040年、医療&介護のデッドライン」(医学通信社)を出版した。本書はこの連載コラムやその他の連載コラムをまとめ加筆修正したものだ。本書の趣旨は団塊の世代のデッドラインである2040年の医療と介護へと続く海図を示すことだ。まだ混とんとした医療と介護の現状の中から、20年後の未来の大海原につながる航路を一つでも見出す一助に本書が役立てれば幸いである。その向かう方向は明らかだ。それは病院という港を出て、地域のブルーオーシャンに乗り出すという方向性だ。

 

 

団塊世代700万人の高齢化とその大量死亡はかつてない社会現象で、数々の新たな市場を生み出すことだろう。こうした新市場の中にこそ次の世代につながる新たな価値が生まれる可能がある。団塊の世代という巨大な人口塊が通り過ぎたあとに、より良い社会の価値が生まれることを本書に託した。ぜひ本書を手に取っていただきたい。

 

国際医療福祉大学大学院教授 武藤正樹氏

1974年新潟大学医学部卒業、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中86~88年までニューヨーク州立大学家庭医療学科に留学。94年国立医療・病院管理研究所医療政策部長。95年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉大学大学院教授、国際医療福祉総合研究所長。政府委員等 医療計画見直し等検討会座長(厚労省)、介護サービス質の評価のあり方に係わる検討委員会委員長(厚労省)、「どこでもMY病院」レセプト活用分科会座長(内閣府)、中医協調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会座長

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