介護は16人入国、他職種より少なく

今回は、新在留資格「特定技能」のその後の動きをお伝えする。
多くの介護企業が期待を寄せた「特定技能」は、2019年4月にスタートした。だがその後は目立った動きが見えない。4月中旬からフィリピン・マニラを皮切りに介護職種の特定技能の試験が始まったことは以前も述べた通りだが、合格者はどうなったのか。整理されたデータがあるので、ご紹介しておきたい。

 

 

9月末時点となるが、介護以外の職種を含めて、全体で219人もの人々が特定技能で入国している。このうち、介護職種においては、フィリピン(13人)など3ヵ国から計16人が、日本語、介護技能の両試験に合格して入国している。他の職種に比べて介護職種が極端に少ないのは、技能実習2号修了者がまだ1人も出ていないためだが、理由はそれだけではないようだ。

 

 

現状は都市部型か
以前も書いたが、特定技能は、同一職種・同一業務であれば、転職可能という点が、技能実習と異なる。すると、都市部や給与の高い企業へ流れていくことが想定される。事実、介護職種で入国した人を都道府県別に見ると、東京都6人、大阪府4人、愛知県と岡山県が各2人と続く。筆者が予測した通り、介護職種においては、特定技能は都市部型になりそうだ。こうした転職可の要件により、特に地方の法人が受入に二の足を踏んだのではないだろうか。

 

技能実習2号修了者が多く出始めるのはあと3年ほど後になる。それまでに各法人は、外国人人材をどう受け入れていくべきか検討することが求められる。実習生を毎年受け入れている法人の中には、既に3期生の面接日程を組んでいるところもある。これから実習生の受け入れを始める法人とは、ざっと3年の開きとなる。特定技能の方が多く入国してくるであろう近い将来までに、しっかりと受入体制を整えておくことが大切だ。

 

 

庄司孝正氏
ライフケア医療介護事業協同組合 専務理事

1999年から大手企業グループで介護保険制度スタートに伴う新規事業立ち上げプロジェクトに参画。以降およそ20年にわたって介護業界に身を置き、施設運営や企業経営などに従事。2017年からライフケア医療介護事業協同組合の専務理事を務めている。現在は監理団体での外国人技能実習制度に関する業務に携わるほか、介護分野における同制度の普及・啓発に向けた活動を行う。

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