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新型コロナウイルス感染拡大が2月下旬から国内で新しいステージに入った。

 

新型コロナウイルス感染は高齢者施設にとっては最大の脅威だ。2月下旬、都内の老人保健施設で送迎車の60代男性ドライバーに新型コロナウイルス感染が確認された。食事や入浴、排泄介助など、高齢者施設では介護スタッフと利用者の接する距離が近く、感染のリスクは高齢者施設のあらゆる場所と場面に存在する。

 

 

新型コロナウイルスの流行を受け、家族を含め面会者に検温を求めたり、入館を全面的に中止したりする高齢者施設も増えてきた。
また介護以外を担うスタッフも極力、外部との接触を避けるため、業務にテレビ電話(スカイプ)を使うなどの徹底するところも出てきた。ただ介護スタッフと利用者の接触をゼロにすることは不可能だ。

 

 

新型コロナウイルスだけではなく、高齢者施設では、これまでにもインフルエンザやノロウイルス、疥癬、結核など様々な感染症を原因とした施設内の流行事例が毎年のように報告されている。新型コロナウイルスを契機にもう一度、高齢者施設の感染対策をチェックしたいものだ。

 

 

基本となるのは、やはり手洗い、手指の消毒とうがい、マスク着用を励行することだ。このためトイレや居室など施設の各所に手洗いの設備があるか、アルコール消毒用のポンプが各所に常備されているかどうかをまずチェックしよう。

 

手洗い場では、石鹸、ペーパータオル、ゴミ箱にも配慮が必要だ。医療や介護の現場では、細菌が繁殖しやすい固形石鹸ではなく、消毒用の液体石鹸を使用するのが常識だ。また手を触れずに使えるセンサー式ディスペンサーならベストだが、ボトル式でも液体を継ぎ足さず、容器ごと交換している施設は衛生面への配慮が行き届いているといえる。

 

また、ペーパータオルは手洗い時の飛沫がかからない場所に設置しているか、ゴミ箱は蓋つきで、手を使わず開閉ができる足踏みタイプであるかもチェックが必要だ。さらに不特定多数の人が触るドアノブや手すりの清潔を保っていることもチェックポイントとなる。

 

 

さらに高齢者施設では、新型コロナのほか冬場のインフルエンザやノロウイルス、夏場の食中毒など様々な感染症対策が講じられている。

 

 

とくにノロウイルスなど排泄物から広がる感染症の場合、トイレ周りの清潔保持も大切な要素となる。また利用者が嘔吐した場合の「ノロキット」を配備しているかも点検が必要だ。高齢者が嘔吐することは珍しくないが、すばやく対処できる体制が必要だ。
こうした高齢者施設の感染症対策を、新型コロナウイルス流行を機会としてとらえて、再点検しよう。

 

 

国際医療福祉大学大学院教授 武藤正樹氏

1974年新潟大学医学部卒業、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中86~88年までニューヨーク州立大学家庭医療学科に留学。94年国立医療・病院管理研究所医療政策部長。95年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉大学大学院教授、国際医療福祉総合研究所長。政府委員等 医療計画見直し等検討会座長(厚労省)、介護サービス質の評価のあり方に係わる検討委員会委員長(厚労省)、「どこでもMY病院」レセプト活用分科会座長(内閣府)、中医協調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会座長

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