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 介護施設は高齢者という人命を預かっている。事業継続の可否が命を左右する点で、介護事業所は万全のBCPを策定する義務がある。服部メディカル研究所 服部万里子所長に話を聞いた。

 

 

介護事業所のBCPの課題は5つに分けられる。

 

①事業所のスタッフの安全確保と安否確認

介護事業継続のためには、まず自分たちの生命を第一に考えなくてはいけない。その後、指揮命令系統を確立しなければならない。

 

②利用者の安全確保と安否確認

地域に点在する利用者の安否確認とケアニーズの把握が必要である。その次の段階として、介護サービスのトリアージ(順位付け)を行い、サービス資源を最大効果的に提供していく。

 

③事業所の被害対応と情報・連絡体制の確保

最初の被災による損壊などの危険、火災などによる二次災害の防止、事業継続に関わるサービス提供の資源の被害実態を把握し、情報機能の確保(機器と人の確保)、事業所の移転を含む事業継続の整理・確立が必要である。事業所とサービス提供のインフラ(電気・車・商品や材料などの早急な確保が課題になる。

 

④資金確保

中小・単独事業所の場合、資金確保が大きな課題となる。東日本大震災が発生した3月11日は偶然にも介護事業所における「10日請求」が終了した直後で、多くの事業所にとっては2月分の請求が4月に入金されることが確定していた。ただ、大規模災害の場合、通帳や印鑑の紛失、金融機関の被災なども想定される。

 

⑤地域連携

市区町村は地域住民の生命と安全確保の責任を負うと同時に、介護保険の保険者として介護サービス提供の責任も担っている。介護事業所として市区町村との連携が必要になる。特に地域包括ケアシステムにおいては、地域包括支援センター、自治会、民生委員、商店街など多様な地域の組織や担い手との連携確保が課題となる。その上で、事業者団体、職能団体などの広域支援も考慮したい。

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東日本大震災やその後に起きた数々の災害を教訓として、介護事業所は予測できる大規模災害への対応とBCPを常に考えておく必要がある。組織の動きを体系化したBCPに基づき、各スタッフには一目で分かる具体的かつ実践的な災害対応マニュアルを作成する。「災害対策本部」のような非常時の役割分担なども具体的に定めたい。

 

 

もう一つは介護サービス提供に関するデータのバックアップ体制を再点検したい。東日本大震災時の9年前に比べても、介護事業に関わる文書も日々増えているのが現状だ。ICTの発達でデータの保存方法は多様になってきたが、中小・単独事業所の場合、データの保存体制整備が追いついていないケースも少なくない。③で述べたように、データは貴重な経営資源だ。BCPの見直しや策定にともない、バックアップ体制の強化も検討してもらいたい。

 

服部メディカル研究所 服部万里子所長

 

 

 

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