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国の20年度当初予算案において、地域医療介護総合確保基金(介護分)は総額が824.1億円(国費は549・4億円)が計上されている。内訳は、介護施設等の整備分が700.5億円(国費は467億円)、介護従事者確保分は123.6億円(国費82.4億円)で前年度と同額だ。

同基金は、地方自治体による介護施設などの整備や運営を補充するために創設されたものだが、20年度からは拠出メニューを拡充し、自治体ごとによる柔軟な運用を認めることになった。

 

 

 

メニュー拡充の主要項目

 

各都道府県に対し「政令市、中核市を含めた管内自治体の事業展開の意向や地域のニーズを十分に勘案し、当該予算の積極的な活用をお願いしたい」と通知。また、「地方自治体の予算措置を待たずに事業者に必要な支援を迅速に行うことができるよう、基金残高の取崩しによる拡充メニュー事業の早期実施も検討されたい」と付け加えている。

 

ただ、介護施設の拡充や人材確保はあくまで各自治体に任されており、今回の国のメニュー拡充が、どの程度、どのタイミングから各自治体の介護保険行政に反映されるかは、自治体のそれぞれの動きを注視しておく必要がある。

 

 

厚労省が示した今後の予定は、例年通りに事務手続きを進める見込みで、3月5日から5月8日まで各自治体からの事業量調査票を受け付ける。一方、厚労省側では管理運営要領、留意事項通知などの関連通知を発出。5月頃から地方厚生(支)局による都道府県ヒアリングを行い、7月頃に都道府県に対し厚労省が内示を行う見込み。
21年2月に地方厚生(支)局による都道府県への交付が決定し、21年度に都道府県への交付が確定する。

 

 

 

 

施設整備促進など拡充

 

メニュー拡充案は表のとおりだが、この中で主要なものは以下のとおりとなっている。

 

⑴広域型施設の大規模修繕・耐震化整備

介護施設などの新規整備を条件に、定員30人以上の広域型施設の大規模修繕・耐震化について補助する。実施期限は24年度までで、24年度中の着工が必要。厚労省の方針では、概ね10年以上経過した施設の一部改修や付帯設備などを想定している。最大補助単価は112.8万円。

 

 

⑵「介護付きホーム」の整備促進

介護付きホーム(有料老人ホームまたはサービス付き高齢者向け住宅で特定施設入居者生活保護の指定を受けるもの)に関して補助対象に加える。施設整備費および定期借地権設定のための一時金支援は、北海道、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県の12都道府県に限定。最大補助単価は1定員当たり448万円。定期借地権設定のための一時金支援は、土地所有者に支払われた前払い賃料として路線価額の4分の1を補助する。

開設準備経費(開設時の設備整備、人材募集・経費など)の補助は、介護人材確保の観点から全国で実施可能。1定員当たり83.9万円が最大補助単価。

 

 

⑶介護職員の宿舎施設整備

外国人を含む介護人材の確保策として、職種は問わず介護職員用の宿舎を整備する費用の一部を支援する。特定施設入居者介護の指定を受ける有料老人ホームやサ高住も対象になる。定員規模は問わず、1宿舎当たり整備の補助割合は3分の1。土地の買収や整地費用、整備費は対象外。また1定員当たり延床面積33平米以下などの条件があるほか、家賃設定に関し「近傍類似の家賃と比較して低廉なものとする」ことなどが求められる。

 

 

⑷大規模修繕時に合わせた介護ロボット・ICTの導入支援

概ね10年以上経過した施設の一部改修や付帯設備の改造時に、介護ロボットやICTを導入する際に補助を行う。最大補助単価は42万円で⑴ と併用も可能。従来、開設時や増設時・改築時の同時導入に補助(最大補助単価は1定員当たり83.9万円)が適用されている。

「大規模修繕」の具体的な例として、厚労省は▽天井の内装改修や電気設備改造と見守りセンサーおよびWi - Fi環境整備▽給排水設備の改造工事とロボット技術を用いた設置位置を調節可能なトイレ整備▽浴室の改修工事とロボット技術を用いた浴槽の出入り動作の施設機器整備---などを挙げている。

 

 

⑸多床室のプライバシー保護改修支援

居住環境の質を向上させるために行う多床室のプライバシー保護のための改修について、これまでの特別養護老人ホームに加えて、併設されるショートステイ用居室を補助対象追加する。最大補助単価は1定員当たり73.4万円。

 

 

⑹看取り環境整備推進

介護施設等における看取りに対応できる環境を整備するため、看取りや家族などの宿泊のための個室の確保を目的として行う施設改修費、ベッドなどの設備について補助する。

整備を行う個室は「看取り及び家族等の宿泊のために充分なスペースを確保すること」とされており、施設の状況に応じて様々な改修が考えられるため、個室の床面積基準などは設けない方針。整備した個室は、看取り利用が原則だが、看取りの利用がない期間は、入所者や家族などの一時的な宿泊などの使用も可能。最大補助単価は1施設当たり350万円。

 

⑺介護予防拠点(通いの場など)における健康づくりと防災の意識啓発支援

市区町村に対し介護予防拠点(通いの場等)での地域住民の健康づくりと防災の意識啓発の事業を補助。最大補助単価は1ヵ所当たり10万円。健康づくり・防災教室のための映像機器、ホワイトボード、研修教材などの備品購入費、または通いの場などでの講義を行う際に支払う消防団員や災害拠点病院職員などへの講師謝金や旅費、普及啓発経費など。

 

⑻共生型サービス事業所の整備推進

介護保険事業所で、障害児(者)の受け入れに必要な改修・設備を補助。
対象は
▽通所介護事業所
▽短期入所介護事業所
▽小規模多機能型居宅介護事業所
▽看護小規模多機能型居宅介護事業所

 

―― で共生型サービスの指定が要件。

最大補助単価は102.9万円。階段手すりの設置や段差解消の通路の改修費、浴室・トイレ・水道の改修費、頭部保護のヘッドギア、畳、エアマットなどの購入費など。

 

 

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