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学校側、養成校新設求め国を提訴

 

寝たきりや歩行困難な高齢者に対する訪問マッサージ。介護施設でもニーズが高まるが「あん摩マッサージ指圧師」の養成施設の新設で国を相手取った裁判が東京、大阪、仙台で起きた。争点はどこにあるのかを探る。

 

 

介護現場におけるマッサージといえば、理学療法士による機能訓練がよく知られているが、あん摩マッサージ指圧師も、高齢者の医療や介護の現場で活躍を広げている。

 

 

いくつか例を挙げれば、複数のデイサービスを運営し、最大で月170名の利用者の介護を行っている群馬県のグループ会社では、マッサージ師のスタッフによって月50名ほどの訪問治療を同時に行っている。

 

 

東京エリアを中心に訪問マッサージ業を展開する別の事業所は、2004年に約10坪の事務所から訪問マッサージ業をスタート。現在は180名以上の施術者を抱えるまでに成長した。ほかにも、名古屋エリアでは、鍼灸接骨院19店舗を運営するグループ会社が11年に介護事業に参入。住宅型有料老人ホーム4施設を運営しながら、訪問介護事業を展開している。名古屋市内を中心に130カ所に訪問を行い、訪問マッサージと訪問リハビリの両面で、医療保険と介護保険の両方を扱う。

 

 

こうした状況の中、19年3月28日、自宅や介護施設への訪問マッサージ事業を行うフレアス(東京都渋谷区)が東証マザーズに上場した。あん摩マッサージ指圧の専門事業者としては初めての上場となり、今後、ますます訪問マッサージに注目が集まりそうだ。

 

 

理学療法士などによる訪問リハビリでは、要支援・要介護者を対象に介護保険を用いる。一方の訪問マッサージは、寝たきりや歩行が困難で通院できない人を対象に、医療保険を用いてあん摩マッサージ指圧師がサービスを提供するのが特徴となる。
その「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を巡り、東京、大阪、仙台の3カ所で重要な裁判が行われていることは、一般的にはあまり知られていない。

 

 

国に対し訴訟を起こしているのは、学校法人平成医療学園ら(以下、原告)。「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」の第19条について、「職業選択の自由を侵害している」と主張している。同法第19条は「視覚障害者のあん摩マッサージ指圧師の生計を保護するため、あん摩マッサージ指圧師を養成する専門学校などの施設を新たに設立することは認めない」としており、業界でも長く議論されてきた。

 

 

 

訪問マッサージ需要の高まりにもかかわらず、この「19条問題」が障壁となり、マッサージ師の国家資格者を増やすことができないのが実情だ。その結果、国家資格を持たずにマッサージのような手技を行う「無資格サロン」の増加につながっている、との指摘もある。介護施設におけるマッサージ師の人材確保という観点からも、今回の裁判の行方は注目だ。

 

 

東京地方裁判所は昨年12月16日、大阪地方裁判所は2月25日にそれぞれ判決を下したが、ともに原告の訴えを棄却。残る仙台地裁の判決は4月27日に下されるが、東京地裁、大阪地裁の一審判決を原告は不服としているため、裁判はこれからもまだまだ続く予定だ。

 

 

日視連「判決を評価」

 

大阪地裁の判決後、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合(東京都新宿区、日視連)の「あん摩師等法19条連絡会」は判決を評価。「この分野の視覚障害者の占有率は20%を切る状況。規制が緩和されれば、視覚障害者の職業的自立は成り立たなくなる。国の主張を正当なものとして判示したことは、私たちの切なる願いと合致するものであり、これを高く評価し支持します」とのコメントを発表している。

 

 

 

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