慶應義塾大学大学院・堀田聰子教授ら緊急調査

 

 新型コロナウイルス感染症が介護現場と高齢者に及ぼす影響について、堀田聰子・慶應義塾大学大学院教授らが行ったインターネット調査(9日公表)で、多くの介護事業所で利用者の身体機能や認知機能の低下が懸念されていることが判明。収入の減少や経費、人件費の増大など厳しい経営の状況もうかがえる結果となった。

 

 

 

通所系6割は収入減 感染症対策で支出増

 

調査を実施したのは堀田氏が代表理事を務める一般社団法人人とまちづくり研究所。5月12日から22日に全国の介護保険サービス事業所を対象に自記式オンラインアンケート調査を実施し、5714件の回答があった。

 

 

新型コロナの影響による利用者の状態悪化などで気になる要素として、施設全体では、「外出や交流機会の減少」を挙げた回答が68.1%と最多だった。

 

 

 

 

具体的な状態悪化としては

▽ADLの低下(51.1%)

▽認知機能の低下(45.8%)

▽生活満足度の低下(41.1%)

――など。

 

 

施設別の回答では、

訪問系で

▽家族の介護負担の増加

▽認知機能の低下

▽うつ・閉じこもり

——などに懸念が多い。

 

 

通所系は

▽IADL(手段的日常生活動作)の低下

▽衛生状態の悪化▽栄養状態の悪化

――を心配する事業所が目立つ。
経営への影響に関し、今年4月分と前年同月分の事業活動収入を比較する設問に対し、「減少」と回答したのは29.5%で、「ほぼ同じ」が44.7%、「増加」は14.4%だった。

収入が減少した施設の種別をみると、通所系が最も多く58.1%で特に都市部(7都府県)に所在する通所系では73.0%を占めた。他の種別において減少したと回答したのは、多機能系が19.9%、施設・居住系が 22.6%だった。

 

 

新型コロナの影響で特に増えた支出については、「感染防御資材購入費」が74.6%で最多。次に「設備費用(空気清浄機、通信環境整備等)」で16.1%だった。人件費は、「残業代・残業手当等」が9.6%と最も高く、「休業手当等の人件費」(7.2%)、「一時金や特別手当等の支給」(3.5%)と続く。

 

事業所全体で増えた業務を5つまで選択するという設問で、最も多かった回答は「事業所内の感染症対策(衛生管理等)」(81.9%)。また「新型コロナ及びその対策の情報収集」も76.4%に及んだ。

 

 

 

 

 

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