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<連載第107回 2022年問題について>

 

「2022年問題」という言葉をご存知でしょうか。「2022年問題」とは、それまで農地だった土地が、宅地として市場に流入し、需給バランスの崩れから、土地の価額が下がってしまう可能性があるという問題のことをいいます。

 

 

譲渡には慎重な判断必要

 

農地が、2022年以降、宅地として売却される原因は、(1)生産緑地法の内容、(2)農業承継者の不足、(3)税負担の増加等にあると考えられています。

 

 

そもそも、生産緑地とは、市街地を成す区域及び十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域内に属する生産緑地地区にある農地等をいいます。

 

生産緑地の所有者は、生産緑地を農地等として管理しなければならないとともに、原則として、生産緑地上に建築物を自由に建てることができませんが、一方で固定資産税並びに相続税及び贈与税に関して、減額や納税猶予といった優遇措置を受けることができます。

 

 

仮に、生産緑地の所有者が農業を営む体力と気力に満ち溢れ、将来的に農業を承継してくれる相続人がいてくれれば問題ないのですが、生産緑地所有者の高齢化が進むとともに、その相続人が農業の承継を希望していないというケースでは、生産緑地を早く処分したいと望む人が出てきても不思議ではありません。

 

 

そうした場合、生産緑地の所有者は、申出基準日以後、市町村長に対して、生産緑地を時価で買い取るよう申し出ることができます。

 

そして、その申出日から3カ月以内に、生産緑地の所有権の移転がなければ、生産緑地の処分に対する制限は解除されます。この制限の解除により、固定資産税が大幅にアップすることになりますので、課税を回避しようと生産緑地を市場で売却することが促されると考えられます。

 

 

申出基準日の多くが、2022年に到来することになるため、これを機に生産緑地がどんどん売却され、土地の価格が大きく下落する「2022年問題」が発生するのではと危惧されているのです。

 

もっとも、生産緑地を譲渡した場合、納税を猶予されていた相続税及び贈与税について、猶予が中止され、利子税を付加した上で納税しなければならない点に注意する必要があると考えられます。

 

 

以上から、生産緑地の所有者においては、譲渡による利益と課税による不利益とを比較して、買取申出をするか否かを慎重に判断する必要があるといえます。

 

 

弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士

家永 勲氏

【プロフィール】
不動産、企業法務関連の法律業務、財産管理、相続をはじめとする介護事業、高齢者関連法務が得意分野。
介護業界、不動産業界でのトラブル対応とその予防策についてセミナーや執筆も多数。

 

 

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