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「活用と連結」、次期報酬改定で注目

 

科学的介護を進めるに当たり、「利用者はどういう状態か」「どういう介入・サービスを行ったのか」「どういう効果(アウトカム)が得られたのか」からなる一連のデータベース(以下DB)が必要である。

 

 

現在、この科学的介護のDBとしては、以下の3つがある。

(1)介護DB(介護保険総合データベース)、

(2)VISIT(ビジット、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業)、

(3)CHASE(チェイス、介護に関するサービス・状態等を収集するデータベース)。

今回はこれらのDBの課題を見ていこう。

 

 

 

(1)の介護DBは、要介護認定と介護保険レセプトデータを含み、2018年より全保険者から収集されている。(2)のVISITは通所・訪問リハビリ事業所からリハビリ計画書などの情報を17年より収集。(3)のCHASEは20年度、介護保険施設・事業所からの情報を任意で収集していく。「総論」「認知症」「口腔」「栄養」の4分野・30の基本項目からなり、「総論」にはBIなど指標を含む。BIは日常生活動作(ADL)の機能回復のアウトカム指標だ。

 

 

このような趣旨で構築されたVISITやCHASEであるが、その普及や活用が実はあまり進んでいない。18年度介護報酬改定では、後押しするためにVISITへのデータ提出を要件とするリハビリマネジメント加算(Ⅳ)も新設された。

 

しかし20年の三菱総研による758カ所の調査によるとVISITを「活用していない」と回答した事業所が85・2%にも上った。活用していない理由では、VISITへの入力負担が「大きい・やや大きい」との回答が9割近くもあった。

 

 

同様にCHASE普及のためにも、21年度介護報酬改定による評価が考えられている。このため19年秋より「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」を実施した。

 

同調査はCHASEでも採用されているBIを算定要件としている「ADL維持等加算」の算定状況で行われた。それによると、19年4月サービス提供分の給付実績情報において、ADL維持等加算を算定している事業所は、通所介護で578事業所(2.6%)、地域密着型通所介護で57事業所(0.3%)だった。加算を届け出ていない理由は、「BIを用いた評価の負担が大きい」が43.3%あった。

21年度介護報酬改定では、こうしたVISIT、CHASEの活用が議論されることになりそうだ。

 

 

DB活用の次なる課題は、DB間の連結である。すでに介護DBとレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の連結が20年10月に予定されている。今後、こうした連結はVISITやCHASEなどにも拡大すべきだろう。

 

 

 

 

社会福祉法人日本医療伝道会 衣笠病院グループ相談役
武藤正樹氏

1974年新潟大学医学部卒業、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中86~88年までニューヨーク州立大学家庭医療学科に留学。94年国立医療・病院管理研究所医療政策部長。95年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉大学大学院教授、国際医療福祉総合研究所長。政府委員等 医療計画見直し等検討会座長(厚労省)、介護サービス質の評価のあり方に係わる検討委員会委員長(厚労省)、「どこでもMY病院」レセプト活用分科会座長(内閣府)、中医協調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会座長

 

 

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