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一般社団法人全国介護事業者連盟 斉藤正行氏に聞く

 2021年度の介護報酬改定に向けて、議論が大詰めを迎えている。21年改定は、「ウィズコロナ」で迎える初めての改定となることも大きなポイントだが、どのような内容になるのだろうか。一般社団法人全国介護事業者連盟(以下・介事連/東京都千代田区)の斉藤正行理事長に話を聞いた。(インタビュー8月下旬時点)

 

斉藤正行理事長

 

 

――21年改定は、コロナ禍の中で迎えることになりそうです。
斉藤 年内には次期改定の中身は決定すると思いますが、介護事業者は「ウィズコロナ」という前提の中で経営していかなくてはならず、報酬改定においても、新型コロナの影響により経営環境が悪化している事業者への対応を踏まえたものでなくてはなりません。一方で、新型コロナ対応と同時並行して報酬改定を迎える中で、これまでのように議論を尽くすことは現実的に難しく、大きなマイナス改定などにはならないと思います。従来から議論してきた課題をどう肉付けするかといったところでしょう。

 

 

 

――具体的には、どのような改定となるでしょうか。
斉藤 当連盟としては、具体的な報酬アップというよりも、人員基準や運営基準などの規制緩和や、生産性向上を実現できる環境の整備が最優先と考えます。8月の社会保障審議会で提出した当連盟の意見提言でも触れましたが、コロナ禍での限定的な「コロナ対策加算」の創設も検討してもらいたい。基本報酬とは分けて、新型コロナが収束するまでの時限措置としての加算を設けてほしいと伝えています。

 

 

21年改定は、24年の診療報酬・介護報酬同時改定を見据えたものとして、報酬部分の思い切った改革は避け、介護事業者が着実に経営環境を整える準備のための改定になるでしょう。しかし、「生産性の向上」「自立支援」「人材確保」「制度の持続性・適正化」などの課題に対応するためにも、「ICT化を促進する分、人員要件の緩和などを進める」、質の担保のためにも「しっかりとアウトカム評価を行う」「自立支援を推進する」といった考え方や、事務業務や文書量をいかに効率的に削減していくか、などの要素は必要です。

 

 

 

――アウトカム評価を重要視する一方で、ADL維持等加算の算定率の低さや、CHASEの実用化が進んでいないといった課題があります。
斉藤 ADL維持等加算は、アウトカム評価をしていく制度上の試金石として18年度改定に組み込まれたわけですから、今後の生産性向上において利用者にしわ寄せがいくことのないよう、しっかり改革を進めなくてはなりません。少なくとも、21年改定では桁を1つ、もっと言えば桁を2つ上げるくらいの単位数を付けないと、当然算定率は上がらないでしょう。要件緩和に加え、デイサービスだけでなく、他サービスにもADL維持等加算を付けるなどの検討も必要です。介護保険の基本の考え方において、アウトカムや自立支援を着実に推進するという姿勢を見せてほしいと思います。

 

 

24年の同時改定では恐らく、財政規律の点から基本報酬単価がぐっと下げられるでしょう。その時に、質を担保して生産性を高める取り組みをアウトカム評価していく加算については、点数が大きくなってくると思います。CHASEについては、新型コロナの影響もありまさしく議論が進んでいない状況ですが、次期改定の中でCHASEに基づいた何らかの加算を作り、24年改定で活用されるように持っていくことが望ましいと思います。

 

 

24年W改定見据えた経営へ

――介護保険制度創設から20年。2025年も目前に控える21年・24年改定を、どのように位置づけますか。
斉藤 20年間、3年ごとにつぎはぎの制度改正を行ってきた感覚は否めません。根幹の理念を変える必要はありませんが、抜本的な制度の見直しが必要と感じます。まさに今、新型コロナの感染拡大を起点に社会のあり様が変わっていくタイミングも迎えています。2025年が差し迫る中、2040年を見据えて、今後の20年間がどうあるべきか。先送りすることなく、現場目線に基づいた抜本改革の議論を求めます。

 

一般社団法人全国介護事業者連盟 斉藤正行理事長

 

 

 

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