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有識者検討会報告書

 

厚生労働省老健局が設置した有識者会合「個室ユニット型施設の推進に関する検討会」(座長=大森彌 東京大学名誉教授)はこのほど、報告書を公表した。2021年度介護報酬改定に向け、特別養護老人ホームにおけるユニットケアのあり方を提起している。

 

 

 

検討会は19年4月から今年7月まで計4回の会合を経て、特養におけるユニット型施設の推進方策について有識者が議論。大森座長以外には▽赤枝雄一氏(全国個室ユニット型施設推進協議会会長)▽江澤和彦氏(日本医師会常任理事)▽児玉桂子氏(日本社会事業大学社会福祉学部教授)▽高野龍昭氏(東洋大学ライフデザイン学部准教授)▽桝田和平氏(全国老人福祉施設協議会介護保険事業等経営委員会委員長)―――が委員として議論に加わった。現状の課題と介護報酬改定などを通じた改善策を議論したが、発言者や発言内容などを記録した議事録は9月時点で公開されていない。

 

 

 

報告書では、ユニット型施設の普及には、高齢者のケアの質を低下させないことを前提に、職員の定着策や施設の人員基準、ハード関連基準の見直しなどを検討すべきとしている。

 

 

ユニットケアは現行で1ユニットにつきおおむね10名以下が基準だが、実態調査によると、ユニット型施設については、ユニット単位で職員シフトを回している施設が58%程度と、半数以上に及ぶことが判明。利用者10名のユニットの場合、1ユニット当たり5名程度の職員が必要で、早番、日勤、遅番、夜勤や休みの職員を考えると、ぎりぎりでローテーションを回している状況が浮かび上がった。

 

 

 

検討会報告書では「人材確保や職員定着を目指す観点から、この基準を高齢者のケアに影響を及ぼさない限りで緩和することが考えられる」と指摘。1ユニット15名程度での運営事例を受け、「1つのユニットに15名程度以内であればユニットケアの理念を踏まえたユニット運営が可能」との見方を示した。

 

 

 

少人数の職員と入所者が馴染みの人間関係を築くことがユニットケアの理念であり、ユニット単位で職員が固定配置された運用を原則として、2ユニット単位運用を昼間は認めていない自治体もあるが、これに対し、報告書では「ケアの質を落とさないことを前提に昼間の時間帯でも2ユニット単位での運用を認めるようにしてはどうか」との意見を記している。

 

ただし、個別ケアの実施に際して1人の職員が接する利用者数が倍になってしまい、職員への負荷が大きくなる懸念があるとして、2ユニット単位運用の難しさも併記している。

 

 

ユニットケアでは、ユニットリーダーが管理職的な役割を果たすことが求められ、各ユニットに1名の設置が原則で、都道府県が実施するユニットリーダー研修の受講を終了した者が就くことになっている。ところが実態調査の結果、全員が研修修了している施設はわずか19% で、35%の施設では研修の修了者が若干名、という状況だった。

 

 

 

20年時点では経過措置があり、ユニットケアリーダー研修の受講した職員を1施設あたり2名以上配置すればよく、研修受講者が配置されていないユニットでは研修未受講者でもケア責任者を置けばよいとされている。ユニットリーダーの確保が難しいという施設も多く、加えてユニット間のスキルや資質の格差も指摘された。

 

 

 

個室的多床室 新設中止意見も

 

感染症対策、入居者のプライバシーに配慮して個室化を進めるための方策として、現在はユニット型として扱われている「ユニット型個室的多床室」については、「少なくとも新たに設置することを禁止し、既存施設は、地域医療介護総合確保基金を活用し、建築基準法上の居室要件を満たしつつ、ユニット型個室に改修を進めてはどうか」との意見が提示された。

 

 

 

ユニットケアの評価や課題の今後の議論について、介護報酬や人員基準などに関しては「次期介護報酬改定で結論を得るべく、社会保障審議会介護給付費分科会でさらなる検討を行うことを期待したい」と締め括られている。

 

 

 

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