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老人ホーム紹介を手掛けるシニアホーム相談センター(東京都港区)は8月、社名を「ソナエル」に変更。相談に応じる人員の増強と拠点の拡大により、数年後に老人ホーム紹介事業専業として初となる株式上場を目指す。事業について笹川泰宏社長に話を聞いた。

ソナエル 笹川泰宏社長

業界価値向上へ 上場目指す

 

──創業の経緯は

笹川 介護保険制度施行の際、当時勤めていた企業で老人ホーム紹介事業の立ち上げに関わった。親会社が高齢者施設を運営しており、どうしてもグループ施設への入居誘導のプレッシャーがあった。正直、入居検討者の意志にそぐわないケースもありストレスを感じていた。元々独立志向が強かったこともあり、中立で独立性の保たれた紹介事業を目指し2008年に起業した。

 

 

 

560法人・5000施設と提携

 

──ソナエルの特徴は

笹川 紹介事業はビジネスではあるが、困った人の相談に乗る行政のような役割もある。ビジネスと福祉の中間的な感覚が必要だと考えている。入居検討者から相談を受ける当社11名の相談員のほとんどが社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士などの有資格者で、行政・医療・福祉法人経験者であり、且つ民間企業の経歴がある。バランス感覚をもったスタッフが揃っている。また、紹介先として提携する高齢者施設は全国560法人・5000ホームある。

 

 

“本人・家族の人生左右”自覚を

 

──近年、新規事業で紹介事業を始める企業も多い

笹川 当社でいえば入居検討者の8割は病院からの紹介、そのほかはケアマネからの紹介やネット問い合わせだ。特に病院からの依頼は疾病の種類や生活環境など切羽詰まったケースが多く、入居までの難易度は高い。
また、相談者(高齢者本人や家族)の心の奥底にある「本当の望みは何か」、これを聞き出すのは極めて難しい。何時間話をしてもわからないこともあり、これにはある程度の経験とテクニックが必要だ。現場で家族から聞く声の中には、「本当は亡くなって欲しいと思っていた」「虐待の一歩手前だった」などという深刻なケースもある。相談員はこうした事態を回避する役割もあるということを自覚すべきで、人生を左右する重要な仕事だという理解が参入企業には必要だ。

 

 

──倫理観も問われる

 

笹川 数字(売上)に追われるような社風であってはならない。売上至上主義となれば、相談員は紹介手数料の高い高齢者施設に誘導しがちだ。そのため当社では相談員に成果給は導入していない。毎週の研修では「なぜこのホームを紹介したのか。〇〇は候補とならなかったのか」「入居後に家族が面会に行っている姿が想像できるか」など意見を出し合い、紹介業の社会的意義を振り返っている。

 

 

 

──なぜ株式上場を目指すのか

笹川 高齢者や家族の生活を真剣に考えて職務に当たっている紹介会社がいることを、高齢者施設運営会社にも世間にも知ってもらいたいからだ。相談者を右から左へ流しているわけでもなく、施設見学に至る過程において多大な労力と時間を費やしている。さまざまな事情から入居に至らず、ショートステイや在宅サービスに繋ぐケースもある。もちろんこの時にフィーは発生しない。老人ホーム紹介専業で上場している企業はなく、業界の価値向上のためにも周知させる必要があるのではないか。2023年、遅くとも25年には成し遂げたい。

 

 

 

──上場を目指すにはスケールを拡大させる必要がある

笹川 現在、店舗は都内に3拠点だが、21年7月までに直営6拠点・相談員も25名体制とする。今後は直営だけではなく、全国主要都市でアライアンス店を増やしていく。すでにいくつかの話はまとまっており、来期中に50まで増やす計画だ。
また数年前より外国人人材の紹介事業も始めている。高齢者施設の慢性的な労働力不足により「スタッフが揃っておらず入居を受け入れられない」というケースもあった。人材を供給できれば施設の空き部屋も減らすことができると考えたのがきっかけだ。

 

 

 

──老人ホーム紹介事業はどう変化していくか

笹川 IT・AIなどが進化しても、補助にはなるがそれだけで入居までの正しい意思決定とはならないだろう。相談者が本当に求めるもの、自身でも気付いていないニーズや不安、これを見つけ出し解決に導くには、やはり経験と心を持った人が介在する必要があるのだろうと信じている。

 

 

 

 

ソナエルでは一般の人を対象に、老人ホームに関する情報を発信するYouTube番組「ソナエルちゃんねる」を開始。現在、週に数本ペースで動画を公開している。

 

 

 

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