医療法人社団佑樹会 客室乗務員役が旅情演出

 

 医療法人社団佑樹会(東京都昭島市)の介護老人保健施設なごみの里(同)では、VRによる旅行体験レクリエーションを実施している。新型コロナにより外出レクができない現状において、利用者から好評を得ている。

 

 

なごみの里

VR旅行レクではスマートフォンを前面にマウントする方式のVRゴーグルを使用する。1回30分ほどのプログラムで、職員が制作した簡易式の個室に入り、日本の観光名所などを楽しむ。前半はプロジェクター投影による風景を鑑賞。後半にVRゴーグルを使用し没入感ある旅行体験をする。

 

使用するVRゴーグルは1台4000円程度。動画はYoutubeで公開されているものを利用したほか、施設内にある物品の活用などにより、準備にかかった費用は2~3万円ほど。

 

 

VR旅行レクを担当する職員は雰囲気を出すため、キャビンアテンダントを演じる。CA役で介護職員の鈴木祐璃亜さんは、「映像を見た感想から、本人の思い出などの話題につなげることを心がけています」と語る。「CAらしく」見えるよう服装にも工夫を凝らしている。

 

事務員の制服などを活用して服装を工夫

 

 

リハビリテーション部上村淳部長は、「新規性のあるレクの導入を考えていたところ、VRによる認知症体験の存在を知りました。それをレクに活用したいと思い、また、コロナ禍による外出自粛もあったことから、VR旅行という発想に至りました」と、発案のきっかけについて語る。「順番待ちが生じるほど、利用者からは好評です。『VR』という先進的なイメージが好奇心を刺激したのだと思います」

 

リハビリテーション部上村淳部長

 

取材当日、利用者は新潟県長岡市の「長岡花火大会」を見学するVR旅行レクを楽しんでいた。眼前一杯に広がる花火を楽しみつつ、「昔は立川の米軍基地から上がる花火を楽しんだわ」と、思い出話に花が咲いた。
上村部長は「想起による回想療法的な効果、生活の気力向上などが期待できます」と語る。

 

今後は、職員自らが撮影した動画を用いるなど、映像を充実させる予定だ。

 

 

 

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