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「質の確保」「エビデンス」求める

厚生労働省は9月30日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催。介護人材の確保・介護現場の革新、及び制度の安定性・持続可能性の確保の2点について議論がなされた。人材不足がさらに深刻化していることを受け、「人員配置基準の要件緩和」や「ICT活用」「処遇改善」などが議題に挙がった。

 

 

 

制度の安定性確保

制度の安定性・持続可能性の確保の観点から、複雑化した加算に対する負担軽減に向けた報酬体系の簡素化が求められている。厚労省調査によると2ヵ年の平均算定率が80%を超える加算は16種類あり、これらの加算について「普及したものと考え、基本サービス費に要件を組み込む形で評価し、加算の簡素化を図るべき」(河本滋史委員・健康保険組合連合会常務理事)との意見に同意が集中。同時に「算定率が低い加算は廃止すべき」との意見については、「排泄、低栄養などいずれも必要な加算。取得を促す方向で検討してほしい」(武久洋三委員・一般社団法人日本慢性期医療協会会長)と反対意見も挙がった。

 

 

 

人材確保・現場革新

介護人材の確保・介護現場の革新については、今後の後期高齢者の急増と生産年齢人口の急減に対応するべく見直しを行ってきた。令和元年度介護労働実態調査によると、特に訪問介護では55.7%の事業所が人手不足であり、また、理由としては約9割の事業所が「採用が困難である」ことを挙げている。こうした現状に対し、人員配置基準などの取り扱いが検討されている。

 

 

18年度改定では特別養護老人ホームにおいて、ICT活用により夜勤職員配置加算を算定できるよう要件の見直しが行われた。今回の議論では、「人員配置基準について、要件見直しや対象サービスの拡大など、さらに柔軟にしていくべき」との意見が多く挙がった一方で、「ICT機器は職員の負担軽減のために活用すべきであり、人員を減らすためではない」「エビデンス不足」など反対意見も目立った。処遇改善加算については、Ⅳ、Ⅴが廃止予定。「Ⅰの取得率は約8割と高い。基本報酬に組み込むべき」と、基本報酬アップにつなげることを望む声も多かった。特定処遇改善加算については、算定要件・提出書類のさらなる簡素化や、他職種への柔軟な活用を求める意見が挙がった。

 

 

 

サービス提供体制強化加算については、「より上位区分の設定をする、下位区分を引き下げるなどの見直しを」など、サービスの質の担保の観点から重要視する意見が集まった。

 

 

 

職員定着率に課題

また、職員が定着しないことも課題の1つだが、江澤和彦委員(公益社団法人日本医師会常任理事)は「介護業界では、勤続年数が長くなると、人件費の圧迫により経営が成り立たなくなる傾向がある。新卒で入り、定年まで勤めあげられる業界にするため、職員の定着率と基本報酬のアップはセットで考えていく必要がある」と言及。勤続年数と経営の相関関係についての実態調査が求められる。

 

 

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