独自の役職で現場のエースに

医療法人社団国立あおやぎ会(東京都国立市)の介護老人保健施設「国立あおやぎ苑」(同)では、青梅市の特別支援学校である「東京都立青峰学園」と連携し、障害者雇用促進に力を注ぐ。同学校の卒業生が現在、施設において主任クラスの役目を担うなど、障害者の活躍を促す環境となっている。

 

 

 

施設では障害を持つ職員13名が勤務しており、その内6名が青峰学園の卒業生。採用した職種は、事務、清掃、介護補助など。取り組みのきっかけは、インターンシップを通じて、2012年に同学園の卒業生を採用したこと。以来、同学園の知的障害教育部門から毎年1〜2名、継続的に卒業生の採用を続けている。その取り組みが評価され、今年2月には東京都教育委員会より、感謝状が贈呈された。

 

▲山本宏美理事

 

 

事務職で活躍 主任クラスに

同学園の第1期卒業生で、今年勤続8年目の知的障害を持つ20代男性は、事務職として就職。在学中はパソコン部に所属しており、ワード・エクセルなどはほかの職員よりも詳しく、困ったときには頼りにされる存在だという。勉強熱心な性格から、独学で請求業務について学ぶなど、活躍の機会をさらに広げている。日々の仕事が評価されたことから、5年目に施設独自の役職「主任心得」(主任の一歩手前の役職。3000円/日の手当が付く)に昇進している。

 

 

障害者雇用に関わる山本宏美理事は「入職後に、人生初の一人暮らしを始めるなど、私生活でも大きく成長を続けており、これからの活躍にも大いに期待しています」と話す。

 

 

 

教師との連携、能力活かす鍵に

障害者雇用に際しては、その人のバックグラウンドの把握を、特に念入りに行っているという。「大きな変化へ苦手とする人が多いので、学校での学びなどの延長線上で業務にあたれるようにする必要があります」と山本理事は指摘する。そこで、学校での様子のほか、家庭の状況も把握している学園の教師との連携を重視。頻繁にやり取りを重ねた。また、施設の職員向けに、障害を理解するための講座も実施したという。
介護業界の人材不足が重大な課題とされる現状、法人では障害者雇用の人材に強い期待を寄せている。

 

 

 

 

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