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新型コロナ禍が長期化する中、在宅介護サービスを中心に事業所負担が重くのしかかり、深刻化している。利用控えや感染対策の負担増から経営難に直面する事業者も増えている。現場の実態を明らかにするため、淑徳大学の結城康博教授が実施したアンケート調査結果がこのほど公表された。

 

 

調査方法はインターネットへのフォームへの入力で実施。調査期間は9月7日から17日で

▽一般社団法人日本在宅介護協会東京・北関東支部
▽東京都社会福祉協議会(東京都高齢者福祉施設協議会)
▽一般社団法人茨城県老人福祉施設協議会
▽ケアマネジャーを紡ぐ会大阪支部

―――のほか、各地域の介護従事者による自主団体や勉強会の会員など、合計628名から有効回答を得た。回答者の属性は、多い順にケアマネジャーが175名、デイサービス(認知症デイ含む)が118名、訪問介護が107名、地域密着型サービスが49名など。地域別には緊急事態宣言の解除が長引いた首都圏など6都府県の事業者が約32%、それ以外が約68%だった。

 

 

「働く事業所で感染者もしくは濃厚接触者は発生したか」との設問には、約81%が「発生していない」と答えた。だが、「働く事業所の経営状況」についての問いに対し、「かなり困っている」「困っている」「多少困っている」との回答が全体の約63%にも及んでいる。

 

 

 

コスト増、廃業検討も

■デイ勤務者による経営状況と収入認識

出所: 結城康博教授「新型コロナ問題における在宅介護サービスの実態調査報告」より抜粋

 

 

デイサービス(118名)は約83%が「困っている」に該当。「かなり困っている」(13.6%)と「困っている」(29.7 %)だけで4 割強を占めた。訪問介護(107名)でも、「かなり困っている」(3.7%)、「困っている」(19.6%)、「多少困っている」(45.8%)といった回答が多く、厳しい経営の状況がうかがえる。

 

 

 

新型コロナウイルス感染症の蔓延前、1月時点と比べた事業収入減少の度合いについては、デイサービスに所属する人の13.6%が「4 割から6 割程度減った」と回答。61.9%が「1割から3割程度減っている」とした。また「7割以上減っている」と答えた人も2.5%いた。
訪問介護では、「4割から6割程度減っている」が5.6%、「1割から3割程度減っている」が45.8%だった。地域比較では6都府県が地方に比べて「(収入が)減っている」との回答が多かった。廃業・休業に関し、調査全体では「廃業の可能性がある」が3.0%、「休業の可能性がある」が5.9%なのに対し、デイサービスの回答はそれぞれ7.6%、13.6%で、いずれも2 倍以上になっている。

 

 

サービス利用者の状況に関し、要介護・要支援者で介護サービスの利用控えのケースが「一定程度はいる」が67.2%。その影響として、機能低下が「かなり多い」(4.3%)、「多い」(13.1%)、「多少いる」(45.4 %)との回答が寄せられており、介護状況への悪影響が少なからずうかがえる。

 

 

自由回答では、事業所ごとに直面している状況の違いが明確に分かる。事業収支については「収入面では安定しているが、支出の増大で年間見込み予算を大幅に上回っている」「衛生用品の納期状況が不安定かつ、掛かり増し経費の圧迫となる」といった経費の増大を訴える声が多く、「緊急包括支援事業での助成金で助かった」との声も。

 

 

 

人事労務面の負担も増え、「ボーナスカットの事業所がある」「人手不足解消のために紹介や派遣費用が増え、かなり人件費が増えている」「依頼があっても、働けるヘルパーがいない」という事業所も少なくない。さらに「人員不足と採用難に拍車がかかっている。
人材が集まらない。その上、通所介護の利用控えから訪問依頼が増え、過重労働が続いてしまっている」との意見も見受けられた。

 

 

 

今回の実態調査について、結城教授は、任意回答で「機縁法」かつ「雪だるま法(snow - ball sampling)」によるものであり、「分析・検証に限界があることは十分承知しているが、自由記述など現場職員の声を把握することはできた。一定の現状分析は可能だったと考える」としている。

 

 

 

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