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<連載第33回>あすの介護に 佐和子の ハートふるヒント

 

力を認め尊重し感謝する

介護においての尊厳。最近改めて考えている…。介護支援専門員の研修テキストより「そもそも人は、人(自分以外の他人)を幸せにする力(魂)を持っている。だからこそ、この世にこれ以上ない価値のある尊い存在なのではないか」。しかし、人生には様々な出来事があり、例えば要介護状態などにより、人は時としてその力を失うことがある。その時にその力が回復(保持)できるように支援していくこと、周囲がその力を認め、尊重し、感謝するように支援していくこと、それが尊重であり、尊厳の保持なのではないか。

 

 

もちろん、安易な理由の身体拘束や、虐待、赤ちゃん言葉、上から目線、ため口などはもっての外。ある施設を訪れた際に食堂にて入所者さんとお食事をご一緒させていただく機会があった。その食事中に入所者さんから思いの丈が次々とでてくる。「映画の上映会があるのですが、作品名が観るその時まで分からないので出掛けることもできない。映画は好きで観たいので、作品名を早めに教えて欲しいと何度伝えても対応してくれない。最近はあきらめて出掛けてしまいます」「お茶が欲しいけれどあそこまで取りに行くのはとても大変なので、何度かスタッフにお願いしたけど今はもう諦めて我慢しています」など。これらのことはどうなのだろうか…。

 

 

とても些細なことだが、ご高齢だったりご病気を患っていたりと1人では営みができないため施設に入所なさっている。入所なさってもお好きな映画鑑賞ができる。又は食事のときにはお茶が飲みたいの、とは誰もが思うことだろう。そして食前の水分補給は口腔内を潤し嚥下機能を高めることにもつながる。これらのことは敬う気持ちや尊重があれば、その方にとってとても大切で必要なことと感じ、行動できると思う。

 

 

こんな些細なことも、尊厳につながると私は思う。とはいえ忙しかったりすると怠りがちなことでもある。そのためには内外部研修やオンライン研修などに参加し尊厳とはなにか、そして自分のケアを俯瞰する力を養う必要があるだろう。またご家族に、「お近くにお越しの際にはいつでもお寄り下さい」と言える施設はオープンで、入所者さんに会いたいと思うご家族や近親者の思いを尊重なさった裏表ない施設と言えると思う。

 

 

女優・介護士 北原佐和子氏

1964年3月19日埼玉生まれ。
1982年歌手としてデビュー。その後、映画・ドラマ・舞台を中心に活動。その傍ら、介護に興味を持ち、2005年にヘルパー2級資格を取得、福祉現場を12年余り経
験。14年に介護福祉士、16年にはケアマネジャー取得。「いのちと心の朗読会」を小中学校や病院などで開催している。著書に「女優が実践した魔法の声掛け」

 

 

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